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【Summer Soul】7インチレコード発売記念インタビュー|INTERVIEW #10

2020-11-09

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【Summer Soul】7インチレコード発売記念インタビュー|INTERVIEW #10

2020-11-09

新進気鋭の韓国ミュージックを国内に紹介するレーベル<Bside>。韓国音楽シーンを盛り上げているアーティストの既発曲からセレクトし、バイナルカットするプロジェクト「Bside K-Indies Series」の第三弾が11月3日 "レコードの日" にリリースされた。今回リリースされるアーティストは、女性シンガーソングライターのSummer Soul、Luli Lee、Yoon Jiyoung。

BUZZY ROOTSでは、3アーティストへのインタビューを順次公開。


  

第一弾に公開するアーティストはSummer Soul。韓国生まれマレーシア育ちの21歳で、韓国内のTikTokバイラルチャートで上位を獲得し同世代リスナーから支持されており、まさに「Z世代のカリスマアイコン」である。

Summer Soul

2018年にR&BミュージシャンのTAEKをフィーチャリングした「How Beautiful」でデビューし、現在までに大小10作のアルバムをリリースし、精力的に活動している。音楽プロデューサー・Charming Lipsとの共同制作をはじめ、韓国大衆音楽賞を受賞した空中泥棒のアルバム『Crumbling (崩壊)』やPanda Gommの楽曲「and I love it」にJunggigoとフィーチャリング参加、さらにConnan Mockasinの韓国公演のオープニングアクトに抜擢されているなど、ミュージシャンとの交流が多いことを契機に国内外から注目を集め、また作品の評価は着実に高まってきている。

作詞作曲だけでなく、ビジュアルやミュージックビデオのディレクション、流通まで全て自ら行い、今年に入ってから自身が運営するファッションブランドを設立。またこれらの活動をSNSやYouTube、SoundCloudで国内外のファンに向けて発信している。自己表現の幅を広く持つ多才な女性シンガーソングライターだ。

今回はそんな彼女にメールインタビューを敢行。音楽活動やファッションブランドを始めた経緯、その中にある創作のインスピレーションや欠かせない存在であるオンラインツールについて、最後に今回バイナルカットされる「JUNKFOOD」「What If I Fall In Love With A.I?」の制作経緯について訊いた。

Summer Soul - JUNKFOOD

ーまずは読者の皆さんに挨拶をお願いいたします。

こんにちは。日本のファンのみなさん。韓国でインディペンデントに活動しているSummer Soulです。お会いできて嬉しいです!

ーマレーシアに留学をされていたとのことですが、今振り返ってみて留学生活は自分の人生でどのような時間だったと感じていますか?

15歳の時、父の仕事について行く形で、家族みんなでマレーシアに行き、私は留学生活を送りました。まず一番良かった点は英語が上達したおかげで音楽の表現できる幅が広がったということです。また、当時韓国では私教育ブームが激しかったのですが、マレーシアはそれに比べてもっと自由な雰囲気と余裕があって、音楽を始めることが出来ました。ある意味私の人生をまるっと変えてくれたと考えても良いと思いますね。

ー音楽活動はいつから、どのように始めましたか。

実は小学校時代から漠然とその夢を描いていました。でも母親が学業の方に進むことをとても望んでいたので言えませんでしたが。時が経って夢が徐々に大きくなるにつれ止めることが出来なくなりました。マレーシアで一人、人の歌を真似て録音して、SoundCloudにアップロードし始めました。しかし嫌気が差して直接曲を作ってみたくなりました。ビートをディギングして、それに乗せる曲と詞を作って、後に独学でビートまでプロデュースするようになりました。熱が入っていたので出来たことだと思います。


ー影響を受けたミュージシャンを教えてください。 また最近よく聴いているアルバムや曲を一つ挙げて簡単に紹介をお願いします。

その時々ごとで私に影響を与えるアーティストは変わるんです。中でもConnan Mockasinの音楽が最も大きく、デビュー時から今まで半分以上の時間一緒に過ごしてきました。彼の音楽を表現すると、本当に正直で愛らしいんです。そんなところに近づきたくて長い間憧れていました。2019年はじめに彼の韓国公演のオープニングアクトとしてステージに立ったことは本当に今でも信じられません。

 

最近はRoy Blairの「FANTAZIA」という曲をよく聴いています。この間Instagramで知り合ったのですが、とても良かったんですよ。彼を知ったのは私の方が後でしたが、音楽がとても良かったです。

ー音楽活動とともにファッションブランド”onmyown”も運営されていますね。 始めたきっかけを教えてください。

私の本業は音楽であり、自分自身をブランディングしなければならない職業です。一回限りで服を着なければならないことが多いのですが、その度に新しい服を買うのはとても負担になっていました。音楽以外で何かしてみたかった中で、私といくらか結びつくのがファッションだったんです。それだけでなく、普段からとにかくファッションにとても関心があって好きなんです。多分音楽の次と言っても過言ではないです。またファッションセンスのある母から影響を受けたこともあるようです。幼い頃私の運動靴で母と喧嘩した記憶があります。たしか運動靴が破れてしまって急ぎで新しい靴が必要になったのですが、その時欲しかったキャラクターの運動靴があったんです。その時母が田舎臭いと気に入らなくていざこざを起こした記憶があります。私のスタイリストだと言える程にそれぐらい母は気を使ってくれました。結果的に今では良い影響になったようですね。母のファッションセンスをある程度譲り受けたみたいなんで…。今の仕事にも大いに役立っていますね。音楽に対してもファッションに対しても。

ー今後、ブランドはどのように育てていきたいと思っていますか?

規模が小さいためやりたいことを好きなだけやるのが大変なんです。少しずつ育てて行きたいと考えているのですが。やりたいことたちが多いです。このブランドを他のジャンルとコラボさせたり、服だけではなくアクセサリーやカバン、またストッキングのようなアイテムもぜひ作ってみたいと思っています。いろんな人にカジュアルに楽しんでもらえて、幅広く色んなものを受け入れることが出来るブランドになりたいです。

 

ー個人的にSummer Soulさんの音楽には一貫して「ミニマルさやシンプルさ」があると感じています。以前他のメディアでのインタビューでは、好きな曲にクロード・ドビュッシーの「Pièce pour l'oeuvre du "Vêtement du blessé"」を挙げ、ロマン派をはじめクラシック音楽に関心があるとおっしゃっていてとても納得しました。クラシック音楽と自身の創作アイデンティティとの相性についてどのように考えていますか?

私の音楽はクラシックに影響を受けた訳では決してないですが、クラシック音楽と同じ感情を持っていると感じています。しかし、クラシックはもう少し繊細でセンシティブに感じられます。なので、年齢を重ねてたくさんの経験を積んだ時、私の音楽とクラシック音楽を融合させてみたら面白いのではないかと思っています。クラシックがよく合うバレエも踊りたいですね。

ー空中泥棒へのフィーチャリング参加、Charming Lipsのプロデュース、Panda GommとJunggigoとのコラボ、またアートワークを手掛けられたイラストレーターや映像監督など、ミュージシャンやアーティストとの交流が幅広くありますよね。普段こういった方々とどのように知り合うのでしょうか?

ほとんどというか多分全部がオンラインを通じて交流したものだと記憶しています。SoundCloudのメッセージやInstagramのDMを通じて知り合いました。お互いの音楽が気に入ってコミュニケーションが出来ればいつでも友達になれると思っています。

ーそのようなオンラインツールにどのような魅力を感じていますか?

本当に便利だと感じます。有難いです。21世紀の私たちに与えられるオンラインツールを賢く上手に利用すれば今後もっと成長することが出来ると感じています、もちろん簡単では無いですが。ファンの皆さんたちと昔よりずっと近くコミュニケーションが出来るので大きな魅力を感じています。

ー「What If I Fall In Love With A.I.」について、この曲が収録されているアルバム『Five Senses』(2019年)では4曲目「A.I. (Artificial Impression)」と共に人間の視点と人工知能の視点で恋愛感情について対比し、両曲とも恋に落ちる幸せな瞬間を描かれていましたね。2曲を制作した経緯を教えてください。また音楽的にもこのコンセプトに沿って工夫した部分があれば教えてください。

コンセプトに沿って工夫した訳ではないのですが、不意にインスピレーションが浮かんできます。本当に意図せず突然やってきては新しい音楽のアイデアをくれます。『Five Senses』を制作していた当時は人工知能にハマっていました。関連した映画もたくさん観たし本も読みました。このテーマを解くには多少難しい部分も多かったのですが興味深かったです。全般的に人工知能との愛には絶対的な愛があると思いました。それに人間同士の愛と異なる点は無いと思ったんですよね。「愛は愛である」ことに大きな意味を置いたと思ってます。考えようによっては「同じである」ことについて多く取り扱っていたのかもしれませんね。こういったテーマを、単純にロボットを通じて向き合うというより、種類が違うだけの私たちと差別をつける必要はないのではないかと思いました。A.I.やロボットが人間から感じる差別と社会的マイノリティーの感情は別に違わないんじゃないかと思ったんです。

ー「JUNKFOOD」について、ビジュアルやMVが印象的ですが、このようなコンセプトで制作しようと思ったきっかけについて教えてください。

『New Clothes』を準備中だった当時ダイエット中だったのですが、その時ジムでランニングマシンを走りながらプロテインを飲んでいたんです。飲んでみたことのある人は分かると思いますが、とっても生臭いんですよ。いつも飲む時は顔をしかめるんです。ある日、いつものように顔をしかめて飲んでいたのですが、ランニングマシンのモニターに映った自分の自然な姿がクールに見えました。 口についたプロテインを手で拭きながら、周りを気にせず飲んでいたんです。そんな素直な表情が気に入ったので、必ずこれを映像に収めたいと思いました。結果的にはMVのビジュアル部分がまず浮かんでその次に内容が浮かびました。 ファーストフードを健康的ではない人間関係に喩えて、食べ物を吐く姿を盛り込まなきゃと。

ー「JUNKFOOD」をはじめ、これまで出演されたMVでおいしそうに食べるシーンが本当に印象的です。見ているとつられてお腹が空いてきます…!笑 MVのように最近たくさん食べてしまう食べ物はありますか?

最近辛い食べ物をたくさん食べています。辛いものなら選り好みしないです。ストレスが吹っ飛ぶので以前から辛い食べ物がとっても好きだったんです。最近ではちょっとひどくなってきて辛みが目立たない食べ物は脂っこく感じる程です。お腹が痛くなる時もあり健康に良くはないと思います。どうしていつも刺激的な食べ物は美味しいのでしょうか?

ー日本で「JUNKFOOD」 「What If I Fall In Love With A.I.」がレコードでリリースされることについて率直な感想をお聞かせください。そして今回のレコードを手にした日本の方に向けて、メッセージをお願いします。

実はこれまでリリースした大小のアルバム全てフィジカルで欲しいなと思ってたのですが、少量製造は難しくシングルは特にそのようにリリースするのは難しかったんです。ですが今回の機会を通じて「JUNKFOOD」「What If I Fall In Love With A.I.」がレコードで出てとっても嬉しいです!なので今回のレコードを購入された方は本当に特別です、とお伝えしたいです。

 

BUZZYROOTSでは、Bside K-indie Seriesの情報をどんどんアップしていきますので、ぜひチェックしてください!

 

協力・監修:Bside Label

 

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  • この記事を書いた人

Izumi

韓国ミュージックライター。他業界とパラレルワークで活動中。ドラマ、音楽をはじめ韓国エンタメ愛好歴は10年以上になるが、ライターとしてはまだ5年目。 韓国留学を機にインディシーンの虜に。 自由な表現でアイデンティティを発信している新進気鋭のアーティストを広めるべく、業界人やアーティスト等にインタビューし記事を掲載するほか、プロモーション記事企画や映像企画を実現。 近年ではアジアのミュージシャンに活動の範囲を広げ、多岐にわたり活動している。

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