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自分らしく進むしかない、自分自身を失わない為に。魅惑の旋律で個性を表現する韓国シンガー Summer Soul|K-Indie Series Vol.3 特集コラム

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自分らしく進むしかない、自分自身を失わない為に。魅惑の旋律で個性を表現する韓国シンガー Summer Soul|K-Indie Series Vol.3 特集コラム

韓国の実力派アーティストを日本国内に紹介するレーベル〈Bside〉とHMV record shopの共同企画として、11月3日の”レコードの日”にSummer Soul、Luli Lee、Yoon Jiyoungの7インチが同時リリースされる。BUZZYROOTSでは、3アーティストをテーマにしたコラムをお届け。

Bside K-Indies Series Vol.3 MV Trailer

 


 

神秘的なサウンドが人気を博している韓国インディー・ポップ界の新鋭アーティスト、Summer Soul(サマーソウル)。韓国生まれ、マレーシアを拠点に活動するJang Eunsung(チャン・ウンソン)によるソロプロジェクトである。

筆者が彼女と出会ったのは、韓国のキンパプレコードと言うレコードショップでジャケ買いをした時のこと。ジャケットのデザインに惹かれ、思わず手にとってそのままレジに出したのがSummer Soulのデビュー曲「How Beautiful」だった。帰国後、すぐに封を切ってプレーヤーにかけ、彼女の幻想的な歌声が部屋いっぱいに広がった瞬間の感動を今でも忘れられない。不規則に揺らぎながらも恒常性を保とうとする、生命の神秘漂う作品だ。

[MV] Summer Soul - How Beautiful

 

1999年生まれのSummer Soulは、「Z世代」という激動の世界を生きている。Z世代の特徴の一つとして、他人のやり方、既存のルールには従わない揺るぎない個性を大事にすることが挙げられる。テクノロジーの発達、SNSの台頭によって、自他の境界が曖昧な掴み所のないヴァーチャルな世界で自らの精神的な安定を保つには、「これが私なんだ」と自分を目に見える作品に変えて必死に自分らしさを表現するしかない。

彼女の歌詞には、そんな同世代の若者が抱える自他の曖昧さへの不安と焦燥感に寄り添い、さり気なく希望を与えるような表現が散りばめられている。透き通ったポップなメロディからは想像もつかない「自分らしくいること」を励ます心強いメッセージが心に響く。

 

I Feel Love

[MV] Summer Soul - I Feel Love

I'm just gonna be myself
They don't look at me the way I am
So what? They are boring boring
Look at me you're smiling

私はただ、自分らしく行くわ
他の人は、そんな私を見ようとしない
だからなんだって言うの?彼らは退屈よ
私を見て微笑むあなた

冒頭で「周りの人は私らしい私を見ようともしない」と嘆きつつも、ポップで軽快な曲調と共に「でもね、そんな彼らとは違ってあなたは私を見て微笑んでくれるの」とリスナーに救いの手を差し伸べる。

そんな彼女、実は音楽だけでなくビジュアルディレクションまで自ら行うなど、実に多才な一面をもつ。少々捻くれた解釈をすると、将来に不安を抱くがゆえにいくつも武器を備えようとする今の若者特有のものではないかとも思う。しかしながら、こと彼女に関してはカリスマティックなセンスが奏功し、様々な分野において、誰もが抱える悩みや葛藤を強力なエネルギーに昇華させる。そんな彼女ならきっと私たちの苦しみを代弁し、世に向けて発信してくれるに違いないと、Instagramのプロフィール文に書かれた「wannabearockstar」という文字を見つめながら思う。


    

7 インチ 収録曲

Summer Soul - JUNKFOOD

Summer Soul - What If I Fall In Love with A.I.

文:Akari Hiroshige
監修:Bside

 

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  • この記事を書いた人

Akari

1994年生まれの自称、韓国音楽PR大使。インディペンデントな韓国のミュージシャンや業界人を中心にインタビューやコラムを執筆。「韓国の音楽をジャンルレスに届ける」をモットーに、韓国インディーズ音楽特化型メディア「BUZZYROOTS」の運営やDJイベントへの出演、アーティストのアテンドなど、多岐に渡り活動中。一番の推しバンドは、SURL。

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