INTERVIEW

韓国のロックバンド Narotic 来日記念インタビュー|INTERVIEW #36

2023-03-02

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韓国のロックバンド Narotic 来日記念インタビュー|INTERVIEW #36

2023-03-02

韓国のインディーズバンド、Narotic(ナロティック)が、3月上旬に大阪、京都、兵庫を回る初の日本ツアーを開催する。

Naroticは、Woong(Gt/Vo)を中心に、ギター、ベース、キーボード、ドラムで構成される5人組オルタナティブバンドとして2016年にデビュー。シューゲイザー、ドリームポップ、ポストロックより影響を受けたサウンドで、インディーズアーティストの聖地、ソウル・弘大(ホンデ)を拠点に活動。現在のメンバーは、Woong(Gt/Vo)、Seddon(Ba)、Hyuk(Key)、Ethan(Dr)である。

2018年、1stシングル「Coincidence」をリリース。2021年7月に1stスタジオアルバム『KindA』をリリース、マスタリングはThe Beatles(ザ・ビートルズ)がデビューシングルを録音したスタジオ、アビーロードスタジオで行われた。2023年1月31日にリリースされた、デジタルEP『Hatred』は『KindA』と同じくアビーロードスタジオでマスタリングが行われ、韓国のインディーズアーティストを紹介する「K-INDIE CHART」を2014年より運営する韓国のディストロ〈Mirrorball Music〉より配信されている。Naroticが所属する〈Mirrorball Music〉は、日本を拠点にする音楽レーベル〈Bside〉と契約し、日本版「K-INDIEチャート」を発行(当メディア「BUZZY ROOTS」にて掲載中)。今後、Naroticの日本での認知拡大が期待されている。


インタビュアー:music/And...
翻訳:Jina,Jin

    

ー今回、外国でのツアーが初めてですね。まずは、バンドとメンバーの紹介からお願いします。

韓国で、憂鬱で夢幻的なオルタナティブロックをしているNarotic(ナロティック)と申します。

Woong(Gt/Vo):Woongです。
Ethan(Dr):今回のツアー、よろしくお願いします。
Hyuk(Key):NaroticのHyukです。
Seddon(Ba):こんにちは。よろしくお願いします。

ー「Narotic」というバンド名の由来は何ですか?

Woong:「narcotic」という単語から由来する名前です。会員登録をする時、麻薬という意味があってそのままだと加入できなかったので「c」を抜きました。

ー2016年にデビューされたとのことですが、バンド結成に至ったきっかけを教えてください。

Woong:2016年度に結成することになり、数多くのメンバー交代もあって、今現在は4人が残っています。今、とてもいい感じです。

   

ーバンドとして、これまでどういう音楽に影響を受けてきましたか? ロールモデルにしているアーティストはいますか?

Woong:Radiohead(レディオヘッド)の影響を一番受け、イギリスの音楽が大好きです。この頃は現代クラシックとジャズをよく聴きます。

Ethan:ヘビーメタルで音楽を始め、ロックが好きでジャンルを問わず全部聴きます。 

Hyuk:Naroticとして活動する前はジャズとヒップホップをよく聴いていて、Naroticの活動をしながらRadioheadを含めた多様なバンド音楽に接してきました。

Seddon:Metallica(メタリカ)の野性美と、X JAPANのビジュアルロックがかっこいいと感じ、音楽を始めました。今はRadioheadを含め、ジャンル問わずすべての音楽が好きです。最近は多くのバンドをディギングし、音楽性の幅を広げています。

ー日本の音楽で好きな曲はありますか?

Woong:Cornelius、toe、MONOというミュージシャンが好きです。

Ethan : T-SQUARE、L’Arc-en-Ciel、X JAPAN、amazarashiが好きです。

Hyuk:BABYMETAL、あいみょん、Hiromiが好きです。 私が初めて買ったアルバムがHiromiの『Time Control』でした。

Seddon : BABYMETAL、ヨルシカ、ELLEGARDEN、dustboxです。

   

ーNaroticの音楽ジャンルの一つでもあるシューゲイザーですが、現在の韓国のシューゲイズシーンについて教えてください。

Woong:私たちはシューゲイザーの影響を受けましたが、シューゲイザーバンドではないと思っています。でも、多くのマニア層がいると思います。

Hyuk:シューゲイザーは魅力的なジャンルですが、今のところ韓国ではなかなか接することの難しいジャンルだと思います。

Seddon:私は個人的にFOGというバンドの『Fogesque』というアルバムをよく聴きました。また、「Perestroika」という曲も好きでした。私はとても魅力的なジャンルだと思いますが、韓国のシューゲイザーはリスナーさんがあまりいなくて残念です。

   

   

ー初めてのスタジオアルバムとして2021年7月に発表された『KindA』を聴いていると、人間の暗い部分や生きづらさみたいな、人間の内面について見つめた深みのあるテーマの曲が多い印象を受けます。曲を作る上で意識したことはありますか?

Woong:そうですね。ほぼ100%そのような意図で作られたとも言えます。私は曲のメッセージをとても大切に思っていて、人々が聴いた時、もっといろいろなことを考えてもらえるアルバムを作りたかったです。 

   

ーアルバム『KindA』はどのようなテーマを持って制作されたアルバムなのでしょうか?

Woong:人間のさまざまなところ、そしてこの社会の矛盾した状況などを曲にしようとしました。

Seddon:私たちが人生を生きながら、不条理を感じた時、それを自由に表現した曲を集めたアルバムだと思います。もちろん、すべての曲がそういうわけではありませんが!(wwww)

Hyuk:私たちが社会に向けて投げかけるメッセージだと思います。

Ethan:みんなが一度ずつこの曲を聴いた時、歌詞をもう一度考えることができるメッセージが詰まったアルバムだと思います。

   

ー歌詞はどのようにひらめくことが多いのでしょうか?

Woong:普段は本やニュースを見てそこからインスピレーションを受けています。テーマなどはニュースから、詩的表現は本からたくさん得ています。 

ー2018年に、1stシングル「Coincidence」が発表されて、前作のアルバム『KindA』は、2021年7月に発売。約1年半後にEP『Hatred』がリリースされたわけですが、その間バンドとしてどんな活動をしていましたか? コロナ規制で、対面のライブ活動などが難しい時期もあったかと想像するのですが...

Ethan:コロナの影響で活動は難しかったですが、特別な企画をしながらその時期をうまく過ごせたと思います。 

Seddon:私はちょうどその頃バンドに入りましたが、コロナ規制でむしろバンドメンバー同士で練習できる時間がもっと多くなったり、自分自身のための時間も多くなり、ベース技術がかなり向上しました。だから、私は悪くはなかったです。むしろ良かったですかね。

Hyuk:実際にコロナの影響でキャンセルになった公演もあり、私たちが公演できない場合もありました。それでもうまく乗り越えて、初めてアルバム『KindA』のショーケースも行いましたし、いろいろ頑張ってここまできたと思います。

ー過去の自主企画イベントを見ていると、merch(グッズ)の売上を一部寄付したり、バンドメンバーの所持品をオークションにかけて売上を寄付したりする活動をされていらっしゃいますが、どちらの寄付も自然保護活動団体に対しての支援ですよね。環境問題に特に関心があるのですか?

Woong:とても関心が深いです。これはただ関心で終わらせる問題ではなく、自ら直接実践して、メッセージを伝えるべきだと思います。これは人間が作り出した災いであり、私たちが責任を背負うべきではないかと思います。

Ethan:南極の氷河が溶けるようになった瞬間から環境問題に興味を持つようになりました。個人が実践するのもいいですが、このような団体がさらに多くなって世の中にもっと知られて、みんなが環境問題に対して関心を持ってほしいと思います。

Hyuk:私たちの企画公演の中で、「バタフライ効果」という公演がありました。私たちが起こす些細なことが非常に大きな出来事として戻ってくるので、多くの人々がもっと関心を持つべきだと思います。

Seddon:実は、私はバンドをするまではそういうことにあまり興味がありませんでした。しかし、Naroticのメンバーになって、最初Woongさんが私に言った言葉が「タバコの吸殻を床に捨てるな」でした。その時が始まりですかね。

ー 2023年1月31日にリリースのEP『Hatred』のタイトルは英語で「憎しみ」という意味ですが、どのような思いが込められた曲ですか?

Woong:ニュースを見ていると、理由のない嫌悪感が広がるのをたくさん感じます。私がこの曲を書いた理由は、嫌悪する相手があなたの友達、家族になれると知らせたかったからです。

Hyuk:初めて歌詞を聴いた時、ちょっと驚きました。しかし、曲を演奏しながら、もっといろいろなことを考えるようになりました。これからはこの曲を聴くみなさんもそうなったらと思います。

Ethan:疎外されたみんなが同じ世界で平等だと思ってほしいです。

Seddon:誰かを憎むよりは、尊重する社会になってほしいです。

ーEP『Hatred』の曲解説を一言でお願いします!

Woong:最後のトラック「The End of the life」はMax Richter(マックス・リヒター)とNils Frahm(ニルス・フラーム)に影響をたくさん受けた曲です。人は死ぬ時に走馬灯のように記憶が蘇ると言いますが、その瞬間の複雑で微妙な感情を表現したかったです。

Hyuk:「Growing」は感情が大きくなるにつれて爆発し、結局吐き出す曲だと思います。その感情は誰かに向けられたものかもしれないし、その何かに向けられたものかもしれませんが、何に向かっても同じ気持ちだと思います。

Seddon:「Species」は人間に対する疑問を持って書いた曲です。地球で生まれた人間が地球を傷つけ、また同じ人間を傷つけます。人間が同じ人間に対して懐疑心を感じます。また、そうなることによって私たちはさらに無気力になります。

Ethan:「Blindness」は人間の個人の人生は誰も責任を負うことができない、だから自分の人生の選択をためらわずに進んでほしいという意味があります。しかし、無慈悲な世界とその中で挫折感を乗り越えていかなければならないです。

ー今回の来日公演以前に日本に来たことはありましたか? 今回のツアー以外に日本でしてみたいことがあれば教えてください。

Woong:私は福岡と札幌に行ったことがあります。 雪がそんなにたくさん積もっていたのは生まれて初めて目撃しました。今回は関西に行くことになって、とてもexcitedです。日本に行って美味しい寿司を食べたいです。

Ethan:今回日本に行くのが初めてです。なので日本の文化を経験したいです。

Hyuk:私は今回のツアーで、初めての海外に行くことになります。初めて海外旅行に行くようになったら必ず日本に行きたいと思っていましたが、このようないい機会になってhappyです。普段からも和食が好きなので、日本でもぜひ食べてみたいです。

Seddon:私は日本が大好きです。22歳の時、日本で一人で1ヶ月間旅行したりもしました。 日本は福岡と東京だけしか行ったことがないです。 福岡は私がカヌー選手だった時に日韓交流トレーニングをしていて、日本の選手と一緒にトレーニングをした経験があります。 ただ、日本のキムチが楽しみで食べてみたらあまり美味しくありませんでした。でも、いろいろいい経験でした。 私が日本を好きな理由は、秋葉原に行った時すごく楽しかったし、すべての食べ物がおいしかったからです。最近「バンドリ!」というゲームをして、チェンソーマンもすごく楽しんでました。 今度の日本ツアーに行って、ぜひ温泉に行きたいのですが、私はタトゥーがあって入れないのが悲しいです...。あ、そしてカスタードプリンがとても食べたいです。

ー今後の音楽活動における予定や目標を聞かせていただけますか?

Ethan:Naroticは音楽を通じて世界にたくさんのメッセージを伝えるために努力し、私たちはグラストンベリー・フェスティバルに行くため頑張ります。

Woong:今後もこつこつと音楽を続け、もっと多くの国で公演してみたいです。

Hyuk:フェスでもっといろいろなミュージシャンと一緒に演奏したいです。

Seddon:地上最高のかわいいロックスターになりたいです。

   

イベント情報

◆Narotic Japan Tourの詳細はこちら

 

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  • この記事を書いた人

BUZZYROOTS 編集部

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