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【2020年】最強ディガー達が選ぶおすすめ韓国インディーズ・ベストトラック

2021-01-11

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【2020年】最強ディガー達が選ぶおすすめ韓国インディーズ・ベストトラック

2021-01-11

韓国の音楽に精通しているイベンター・音楽ライター・レーベル関係者など10名の方に、2020年ベストトラックをお訊きしました。

選りすぐりのK-INDIEの名曲をコメントと共にお楽しみください!

실리카겔 (Silica Gel) - Kyo181

メンバーたちの入隊によって発生した2年6ヶ月の空白期を経て、2020年に発表したシリカゲルのシングル[Kyo181]。ロックをベースにしたシンセ音を上手に扱い、定型化されていない独特のメロディーと空間の広がりを構想してきたシリカゲルだけの技術が、この曲で爆発したかのように感じられる。個性を抹殺する最初の集団である軍隊で、一体彼らはどうやって音楽に対する情熱を大事にしてきたのだろうか。軍隊を基点に消えたり変化を迎えた他の多くのバンドとは決して同じではないことを宣言する意思表明であり、シリカゲルの音楽への野望の凄まじさを窺わせるのに十分な素敵な曲だ。
Selected by リム・ドヨン(Highjinkx

シリカゲルの復帰作ということでとても楽しみにしていました。シンセの音を軸にしたサイケロックが相変わらず最高なんですが、やっと時代がシリカゲルに追いついてきたのではないでしょうか?以前ソウルで観たライブも素晴らしく、またライブで会えるのを楽しみにしています。
Selected by 寺尾ブッタ(月見ル君想フ 代表取締役) 

 

유기농맥주(Organic Beer) - TCR (Trans-Continental Railway)

4人組ロックバンドによる50分超えワントラック。11月、コロナ感染拡大の合間にかろうじて開催されたリリースライブでは、この一曲だけが演奏された。冒頭、朝を迎える漢江の映像をバックに響く、途切れることない祈りのようなギターの音に、閉じていた感覚が再び開く思い。私たちの生活にはライブが、ロックバンドが、大陸横断鉄道への夢が必要だ。
Selected by 清水博之(雨乃日珈琲店)

 

김수영 (Kim Suyoung) - Don't Know

大好きな“ニュートロ(New+Retro)”的なサウンドメイクがインディーズでもメジャーでも急増したおかげで、個人的には楽しめた1年でした。とはいえ、いつの時代もメインストリームがどうであろうと自分の美学を貫くアーティストには弱い。その流れだと今年のベストはキム・スヨンかな。聴き手を包み込むような温かい歌声にぐっときます。
Selected by まつもとたくお

"KPOP番長"こと まつもとたくおさん、春には単行本を出版予定とのこと。Twitterで要チェックです!@KPOP_BANCHO

 

조동희(Jo Donghee) - Sadness is the shadow of beauty

韓国の女性SSWチョ・ドンヒが11月にリリースした2ndアルバム 《Sadness is the shadow of beaty (悲しみは美しさの影)》の同名のタイトルは、数々の韓国アーティストがカバーしたこともある本人作詞の曲「さびしさがあなたを呼ぶ時」と対称をなす。フルアルバムをリリースするのは、2011年の1stアルバム「鳩(原題:비둘기)」以来9年ぶりとなる。

この曲は、フォークをベースにアンビエントというサウンドの実験に挑戦、彼女のウィスパーボイスがウェットに響き渡り、聴きどころでもある特有の詩的な歌詞がもっと深く染み込んでくる。全体的なプログラミングとプロデュース、そしてミキシングを担当したチョ·ドンイクの影響で、アコースティック楽器よりは、シンセとプログラミングでサウンドメイキング、フォークとエレクトロが結合した作品となった。

チョ・ドンヒは、韓国の1990年代の作家主義ミュージシャン共同体ハナ音楽の柱だったチョ・ドンジン、チョ・ドンイク兄弟の妹でもある。日本ではあまり知らされていないが、数々の名曲を残したフォーク音楽界の第一人者と呼ばれるチョ・ドンジン、伝説的なフォークデュオ「ある日」のチョ・ドンイク、韓国ロックの父、申重鉉の次男ユンチョルが率いるバンド、Wonder Birdにボーカルとして参加したこともあるチョ・ドンヒ、三兄弟の韓国音楽界における存在感は大きい。

約3年前に死去した兄、チョ・ドンジンへの思い出は、音楽家ファミリーの懐からまた生まれ変わり哀愁と懇願の情緒に響いていく。

Selected by Sunny Kim(Bside CEO

 

위댄스(Wedance) - City Punk

毎月〈mights.likes〉というプレイリストをSpotifyで更新しているんですが、その更新のためにいろいろ見て回っている中で過去に新代田FEVERさんで来日公演の告知を見たことを思い出して調べてみたら丁度この曲がリリースされたタイミングでした。自分がここ数年オルタナサウンドや時勢を捉えたようなシリアスなサウンドに惹かれることが多く、この曲は正にそういった楽曲のひとつなんですが、曲の展開やMVも魅力的なことに加え日本でも盛り上がりを見せ今やアジア圏でも耳にすることが多くなってきた”City Pop”に対しての”City Punk”というワードの強さも際立っていると思います。以前来日した際の対バンが羊文学、No Busesというのも納得ですし、既に日本でも取り上げている方も多いですが、来年以降ますます注目のバンドだと思います(もっとYouTubeの再生回数も伸びていいと思う)。この曲が収録されたアルバム『Dance Pop』は必聴です。
Selected by 酒井慎司(mights)

  

off the menu - The Wall

「今年、とにかく聴いた一曲」 2020ベストトラック選曲のお話をいただき、今年は何を基準にベストを選定したらいいのか、まずそこから考えました。渡航は一度しか出来ず、ライブはオフラインで観れずの年でしたので。 今年、とにかく聴きまくったのはoff the menu。 1stアルバムにしてこの安定感!UK/USのインディーロックをベースにシンセポップの煌びやかさが足された心地の良い音楽です。コロナで心身ともにフラットな状態が続いた一年、家にいる時も移動中も、じんわりと染み渡る音楽として最高のアルバムでした。再生数ぶっちぎり1位です。 結成してまだ1年半弱。これからが楽しみで仕方ないアーティストです。

Selected by 内畑美里(めちゃくちゃナイト主催)

 

Sunggun Jang - Figure 1

『愛の不時着』は、今年の災厄が流行に至極疎い私をも巻き込み、結果密室の中でひたすらNetflixを眺めていたことの象徴となった。その流れで韓国映画も数本観たが、中でも印象深かったのは『バーニング』(2018年公開)においてチョン・ジョンソが上半身の衣服を脱ぎ捨て踊るシーンである。名画『死刑台のエレベーター』におけるマイルス・デイヴィスの演奏がその背景で流れることは、原作者である村上春樹の存在を静かに示唆しているとも思う。

しかしそれ以上に『バーニング』の印象が苛烈だったのは、その”寒さ”に依る。あの映画は冬を描いてはいないのに、終始寒いのだ。不気味でも間違ってはいないが、映像に宿るもっと直感的な寒さは、マイルスのトランペットと共にSunggun Jangの『Disfiguring Echos』を私の耳に蘇らせた。このモノトーンのアンビエントは初めから終わりまで酷く寒い。音楽は実際に真冬のソウルで制作されたらしいが、しかし寒さの所以はそれだけではない気がする。この音楽は「何故」寒いのだろう。社会情勢とか個人の嗜好や環境だとか、それについて言及したい訳ではない。私が知りたいことは、きっと多くの人が「(一種の矛盾を孕む言葉である)納屋を燃やす炎の寒さ」を音楽と映画から感じ取るはずであり、だからこそ、音楽で踊りはしゃぐことが大好きと聞く韓国の人々が果たしてその”寒さ”をどう感じているのか、という点に過ぎないのだ。海を隔てた国にいる友人たちに尋ねてみたい───だから私はこの災厄が立ち去ることを切に祈り続ける。

Selected by 平野 望 / dysfreesia(Babera Records

 

은희의 노을(eunheesnoul) - 은희송(eunheesong)

音源/歌詞:http://kuchu-camp.net/xe/84774

 

빅베이비드라이버(Big Baby Driver) - 농담(Joke)

歌詞:http://kuchu-camp.net/xe/84781

最初は才能、最後は運。まんなかは体力と…… あと、続けること。みんな、やめちゃうじゃない。もうダメだとか言って……。くよくよするひとはダメだな。しょうがないよ。くよくよしてても。(처음에는 재능, 마지막은 운. 가운데는 체력과.. 그리고, 계속하는 것. 다들, (중간에) 때려치잖아? ‘이제 안돼’라고 하면서. 끙끙 앓는 소리 하는 사람은 아닌 거지. 별 수 없어요. 징징거려도.)“ - 佐藤伸治(1996)

“汝の道を辿れ、そして人々をして語るに任せよ。(Segui il tuo corso, e lascia dir le genti!)“ - Karl Marx(1867)

Selected by go-mama(空中キャンプ)

 


 

ご協力いただいたきましたみなさまには、この場を借りて御礼申し上げます。2021年も引き続き、BUZZYROOTSをよろしくお願いいたします!

 

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BUZZYROOTS 編集部

Korean Indie Music and Culture Web Magazine|韓国の音楽シーンをジャンルレスに発信するWEBメディアです。各所に散らばった韓国の音楽情報をぎゅっとまとめてご紹介します。

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