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韓英をルーツに持つDIYアーティスト・nijuu、来日公演記念インタビュー|INTERVIEW #42

2023-11-11

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韓英をルーツに持つDIYアーティスト・nijuu、来日公演記念インタビュー|INTERVIEW #42

2023-11-11

イギリスと韓国を拠点に活躍するアーティスト・nijuu(ニジュ)。クラシック音楽に触れた幼少時代を経て、イギリスでポピュラー音楽を学ぶ。そして2019年、若手ミュージシャンの登竜門となっているコンテスト「ユ・ジェハ音楽コンテスト」で受賞し韓国でデビュー、その後イギリスのBBCラジオにて度々紹介されたことをきっかけに、韓国内外から注目を浴びることとなった。

クラシックに触れて育ったという彼女のルーツが感じられる豊かで夢幻的な音楽、そして英語と韓国語を自由に使いこなし歌う温かく心地良い歌声が、耽美な世界へと聴き手を導いてくれる。

日本でも耳早リスナーの間で注目され国内での公演を期待する声があった中、今年2月に満を持して都内4ヶ所でのツアーを行い盛況に終わった。帰国後、4月にアルバム『Mother Tongue』をリリースし、現在生活の拠点としているイギリスにて精力的にライブを行っている。

今回は、日本公演直後に行ったメール・インタビューを公開。彼女の音楽的背景をメインに2月の日本公演について訊いた。


読者の皆さんへ挨拶をお願いします。

こんにちは。シンガーソングライターのnijuuです。nijuuは私の本名であるユジン(YUJIN)のスペルをひっくり返してNIJUYのYをUに変えて付けた名前です。

        

まずは音楽的なルーツや活動についてお聞かせください。どのような背景でシンガーソングライターとしての道を進むことになったのでしょうか?

まだ幼い4歳の時から青年期の14歳までずっとクラシックピアノを習っていました。ピアノの先生はそのまま続けることを望んでいましたが、10歳の時から曲を書いて歌いたいという強い思いがあったので、進路を考え始める14歳の頃、専攻をポピュラー音楽に変えてソウルに上京しポピュラー音楽を勉強し始めました。

現在の音楽スタイルに影響を与えた楽曲またはアーティストについて教えてください。

クラシック音楽家の中で言うとモーツァルトとドビュッシーは外せません。モーツァルトは私が最も長く演奏してきた作曲家で、ドビュッシーは最も目標としたい作曲家です。ポピュラー音楽の作曲家で言うと、坂本龍一、Bjork、Feistなどがいます。そして私の先生であるジャズ・ピアニストのホリム先生に多く影響を受けています。

            

これまでのキャリアの大きなトピックの一つに、「ユ・ジェハ音楽コンテストへの参加」があると思います。参加のきっかけについてお聞かせください。また、韓国音楽界にとってこの大会はどのような意味を持っていますか?

「ユ・ジェハ音楽コンテスト」は、韓国でとても由緒のある有名な大会なので、シンガーソングライターになると決めた10歳の頃から絶対に出たいと思っていた大会でした。参加当時はイギリスで大学卒業を控えていた時で、一か八か、参加だけでもしてみようと思って参加しました。この大会は韓国音楽界に多くの変化をもたらしたシンガーソングライターのユ・ジェハさんを後世に伝える為の大会です。大先輩から若手まで、作曲家やシンガーソングライターなど数多くのミュージシャンを輩出してきた大会として韓国音楽界にとっては非常に重要な大会と言えると思います。

           

大会後も親しくしているミュージシャンはいますか?

同じ大会に参加した30期のみんなとは親しく過ごしているほうです。中でもシンガーソングライターのSONG YE RINは同い年で性格もお互い似た部分が多く、特に仲良く過ごしています。

         

続いて曲制作についてお伺いします。歌詞とコード進行の制作プロセスについてお聞かせください。

普段は、毎日ちょこちょこと詞のフレーズを書いておきます。そして作曲する時にそれらを見て浮かんだコード進行を弾いてみて、その上で歌詞を整えていくといった感じで進めていきます。

             

歌詞を英語で書くか韓国語で書くかは、どのように選んでいるのでしょうか?

その時々で、曲の雰囲気や歌うスタイルによって言語を選びます。普段は感情を最初から最後まで詳しく説明しませんが、どうしても表現したい時は韓国語を使います。英語だと、直接的にはしたくないけど、どうしてもストレートに話したいという時に英語を使ってます。

ー『Nijuu Loves You』をはじめ、楽曲のアレンジングが各作品ごと特色がありますが、アレンジはどのように行っているのでしょうか?

「nijuu loves you」は私の幼馴染の映画音楽を手がけているヒジュンがアレンジを手伝ってくれました。先ほどお話したように、私はクラシック音楽が背景にあるので、クラシックの楽器を使うことを楽しんでいます。しかし、電子楽器はフィジカルの楽器を上回る新たなサウンド表現を可能にするので、私の目標は二つを上手くコンバインすることですね。

          

現在は2つの国を拠点に活動されていますが、海外に関心を持ったきっかけが気になります。

中学校の時からブリットポップを楽しんで聴いていました。ソウルに上京して音楽を習い始めた時、先述のホリム先生がドイツで10年間音楽の勉強をされた方なので、ヨーロッパの文化を良く知っていらっしゃっていて、それが私に合いそうだと思ってヨーロッパ圏で勉強することを勧められました。そこから自然と、幼い時から好きだったブリットポップがあるイギリスに留学することになりました。

          

英国に渡り現地のミュージシャンと交流する中で刺激を受けたエピソードがあればお聞かせください。

どの国のミュージシャンも同じだと思いますが、今のイギリスのミュージシャンは本当に音楽を楽しんでいて、愛しているという感じをすごく受けます。常に自分が最も幸せになる選択をしようとしている姿が印象深いです。

最後に今回の来日公演についてお聞きします。まずはどのような経緯で今回のイベントへの出演が決まったのかお聞きしたいです。

日本旅行に行きたいとずっと思っていました。ある時、韓国でのライブでお金をもらった時、ふとそのお金で日本に行きたいと思ったんです。行ってライブをして、滞在先や食事の部分までサポートしてもらえないか、X(旧Twitter)とInstagramを通じて「日本でライブしたいけどサポートしてくれる日本のミュージシャンがいないか」と聞いた時に、一番最初に連絡が来た Miss Heavenlyと to’morrow musicとライブをしようと決めました。

          

2月23日の公演<I‘m in Heaven now>では日本の女性シンガーソングライターとの共演でしたが、いかがでしたか?

私はとても幼い時から日本の音楽が好きでした。既にライブを終えた後ですが、まるで私が大好きな日本映画の中に入ったような気分になりました。日本の女性シンガーソングライターはみんな魅力的で素晴らしかったです。

今年は韓国国内でどのような活動を展開していく予定でしょうか?

4月29日に韓国で韓国語のアルバム『Mother Tongue』発売後にイギリスに帰ります。今年は国など関係なくYouTubeコンテンツとInstagram等を通して活動すると思います!

         

では、イギリスではどのような活動を行っていきますか?

下半期にシングルを出して、今はロンドンに住んでいるのでロンドン公演をたくさんする予定です。ありがとうございました!

 

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  • この記事を書いた人

Izumi

韓国ミュージックライター。他業界とパラレルワークで活動中。ドラマ、音楽をはじめ韓国エンタメ愛好歴は10年以上になるが、ライターとしてはまだ5年目。 韓国留学を機にインディシーンの虜に。 自由な表現でアイデンティティを発信している新進気鋭のアーティストを広めるべく、業界人やアーティスト等にインタビューし記事を掲載するほか、プロモーション記事企画や映像企画を実現。 近年ではアジアのミュージシャンに活動の範囲を広げ、多岐にわたり活動している。

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