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【O3ohn】7インチレコード発売記念インタビュー|INTERVIEW #26

2022-07-17

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【O3ohn】7インチレコード発売記念インタビュー|INTERVIEW #26

2022-07-17

新進気鋭の韓国ミュージックを国内に紹介するレーベル〈Bside〉。韓国音楽シーンを盛り上げているアーティストの既発曲からセレクトし、バイナルカットするプロジェクト「Bside K-Indies Series」の第7弾が7月20日(水)にリリースされる。今回は「夏に聴きたい爽やかなR&B特集」として、Samuel Seo、O3ohn、oceanfromtheblueの3アーティストをピックアップ。

BUZZY ROOTSでは、リリースを記念し、3アーティストのインタビュー記事を公開していく。


淡白でありながらも繊細な声で共感を呼ぶ韓国のシンガーソングライター、O3ohn(オゾン)。まるで層を細かく薄く重ねた絵のような多層的で哀愁漂うサウンドと歌声は、マニアから大衆まで幅広い人に愛されている。

バンド「Xin Seha & The Town」のギタリストとして音楽活動を開始したO3ohnは、2016年にEP『[O]』でデビュー。その後も『jon1』、『jon2』、『Simple Songs』等、作品を次々とリリースし、シンセポップ、R&B、フォーク、オルタナティブロック等、あらゆるジャンルを見事に調和させてきた。

デビューEP『[O]』に収録されている楽曲「Down」

彼の音楽は、最小限の楽器構成と編曲、そして柔らかく親しみやすい音色により、場所や時間、状況にとらわれず、どんな場面にでも溶け込む魅力を持っている。それは次第に多様で幅広い関心とテーマを纏い、大衆へと共感の輪を広げている。

特に、韓国ドラマ「ミスター・サンシャイン」のOST「Shine Your Star」、「恋愛ワードを入力してください~Search WWW~」のOST「Milky Way Between Us」、とある広告で使われた「Rolling」は、彼の名前をお茶の間に広めるきっかけとなった。他にも、ドキュメンタリーや、展示会とOSTを掛け合わせたプロジェクト、様々なミュージシャンとのコラボなどを通して、自身の活動の幅を広げている。

そんな彼にメールインタビューを刊行。音楽活動の原点や、曲作りにおいて意識していること、そして、今回の7インチレコード収録曲「Tallgrass」「R」の制作意図について訊いた。彼の口からは、学生時代の友人であるXin Sehaを含め、多くのアーティストの名前が出てきた。彼らの音楽を聴くことは、O3ohnの感性を理解する手助けになるに違いない。ぜひ挿入したYouTube、Spotifyリンクの再生ボタンを押しながら、本記事を読み進めて欲しい。


学生時代の友人たちの影響で開けた音楽の道

ーはじめまして!まずは、自己紹介をお願いします。

こんにちは。 O3ohn(オゾン)です。 初めまして、よろしくお願いします!現在は、韓国の果川(クァチョン)という町で過ごしており、楽曲制作をメインに活動しています。これまで、いくつかのEPをリリースし、ドラマのOSTにも複数参加しました。

「pigfrog」というチームでも活動しています。 好きな楽器はエレキギターで、最近はモジュラーシンセサイザーを勉強しています。 慣れない方法でアプローチしたときに生まれる作品に、より楽しさを感じています。

ーアーティスト名の「O3ohn」は不思議な綴りですね。

「Ojohn」と書くとちょっとつまらないので、ロシア語のアルファベット「3」を「j」の代わりに入れてみました。読み方はどちらも同じです。今は全て忘れてしまいましたが、ロシア語文学科出身なんです...(1年在学した後に中退)。Xin Seha(シン・セハ)という友人が名前を決める際にすごく助けてくれて、最終的には友人たちからよく呼ばれていたニックネームである「オゾン」になりました。後悔してないですよ。一生、大気物質の「オゾン」に勝つことはできませんが...(オゾンの元素記号はO₃という偶然の一致)

ー音楽の世界に足を踏み入れた経緯を詳しく教えてください。

元々、同年代の友人たちと比べて音楽を聴くことが特別好きというわけではありませんでした。ところが、高校生の時、Xin Sehaとチョン・ソクジュ(정석주)という、若くしてカルチャーに対する好みが渋い友人と同じクラスになって親しくなりました。そこから、彼らと一緒に、特に音楽や映画についてたくさん聴いて見て学ぶようになりました。

それから20代前半まで彼らと一緒に過ごし、僕が先に軍隊に行くことになりました。軍隊で会ったキム・ジュンヒョン(김준현)という兄貴に、またしても大きな影響を受けました。僕の後任として入ってきたのですが、先輩後輩関係なく友達のように親しくなり、お互いに音楽の話をたくさんしました。そうこうしているうちに僕が音楽を作ることに対して情熱を持っていることに気づき、家にあったアコースティックギターを部隊に持って行き、少しずつ作曲の練習をしました。

除隊後は思い切って大学を休学し、音楽を始めることを決心しました。僕が除隊した当時は Xin Seha がライブを始めた時期で、偶然僕がそのバンドでギターを弾くことになったんです。一緒にライブをして回りながら多くのことを学び、良い縁もたくさん作りました。

ー最近はどんな音楽を聴いていますか。

最近だと、BJ Burton(BJ・バートン)、Sylvan esso(シルヴァン・エッソ)、Nick Sanborn(ニック・サンボーン)、Burial(ブリアル)、mk.gee、Kaitlyn Aurelia Smith(ケイトリン・アウレリア・スミス)、Paul institute(ポール・インスティチュート)の音楽をたくさん聴きました。思わず耳を傾けたくなるようなサウンドを上手く作り出すアーティストたちだと思います。

以下がそれぞれのアーティストのおすすめの曲です。

Japanese house – Dionne / co produced by BJ burton

   

Sylvan esso – Frequency

   

Burial – Etched Headplate

   

Mk.gee – cz

   

Kaitlyn aurelia smith – Is it Me or is it You

   

Ruthven – Hypothalamus

   

HIRA – Need 2 ’19

   

ー仲の良いアーティストや、直近注目しているアーティストについて教えてください。

仲の良いアーティスト、JOONIEの新しいEP『Mother Nature』をぜひ聴いてみてください。目を閉じて映画を見るような感覚を味わいました。

少し前に結成された「縫製人間(봉제인간/bongjeingan/ボンジェインガン)」というバンドもとても好きです。以前ライブを見ましたが、本当に熱いライブでした。 アルバムを出さずとも多くの人が集まったのを見て不思議な感じがしたし、僕もつられてうきうきしました。

  

ーこれまで、ドラマのOST参加やテレビ番組出演など、よりマスに向けた活動もされてきたと思いますが、何かご自身に与える影響はありましたか。

活動初期に参加した韓国ドラマ「ミスター・サンシャイン」のOST、そしてKBSの人気音楽番組「ユ・ヒヨルのスケッチブック」を通じて、よりお茶の間に近づくことができてよかったです。 たまに外を歩いていると、僕に気づく人も出てきました。 個人的な作業の他にテレビ番組やOSTに参加するとまた一味違った楽しさもあって、仕事や日常に対してポジティブなエネルギーをたくさんもらえます。

ーO3ohnさんの楽曲は歌詞、音作り共にシンプルな印象で、聴くと感傷的な気分になり、考えさせられるものが多いように感じています。曲作りにおいて、意識していることや大切にしていることはありますか。

ありがとうございます。これまでの曲作りは「僕ができることの中で精一杯やろう!」がモットーでした。サウンドがシンプルに聞こえたのは、簡単な作業しかできず、曲の構成や編曲などが全てミニマルだったからかもしれませんね。普段からセンチメンタルな時が多いので、その感情をそのまま曲に込めています。 

音楽を作る時は、何よりも僕自身が聴いて楽しく、良いと感じられるものでなければならないと思います。 残念ながら過去の作品の中にはそうではなかった曲もありますが、それだけ成長したという意味でもあるので、もっと頑張らないといけないですね。

ー音楽活動において、今後の目標を教えてください。

次のアルバムは、個人的にもう少し新しいサウンドを取り入れてみたいと思っています。まだ何を語るのかしっかり決めてはいませんが、着実に準備を進めているところです。様々な形態で、バンドスタイルのライブを作り上げてみたいです。 もっとたくさん勉強して、一生懸命動かないと。 まずは良い音楽を作れるよう、ベストを尽くします。

「Tallgrass」「R」制作エピソード

ー今回の7インチA面収録曲「Tallgrass」は、特に中盤から後半にかけての疾走感のあるサウンドが非常に心地よく、直感的に楽しむことができました。

ありがとうございます。 仕事がうまくいかず、何をすべきか分からないもどかしい状況を描いた曲です。 ギターリフを作って口ずさんでいると、背の高い草を乗り越えて通り過ぎる姿が浮かび、その直後に歌詞とメロディーが思い浮かびました。そして、しばらくたった後に編曲のアイデアを思い付いたんです。ありのままに僕が行きたいところに引っ張られるような気分でした。

実は生のドラムを依頼しようかとも思ったのですが、少々面倒で...。時間とコストを節約するためにドラムマシン(ドラムパートを自動演奏できる電子機器)に置き換えたのですが、悪くないみたいです。でもライブバージョンを聴いた方が、確実に気分はいいと思います。

ー「Tallgrass」のMVは、O3ohnさんの作品の中では珍しくアニメーションを用いてるかと思います。MVはご自身がディレクションされたのでしょうか。

このMVは幼い頃から仲の良い友人、ファン・ジェファン(황재환)監督が作った作品で、監督と二人で遊んで話しながら出てきたアイデアをもとに作りました。幼い頃に僕と一緒に暮らしていた子犬も出てきます。ゲームに対するオマージュもあり、夢の中で飛び回る時によくする動作も出てきます。 すごくスムーズで素早く作業が進みましたよ。 実際、僕がアイデアをひとこと言っただけで、あとは全てその友人が一生懸命作業してくれたのですが、二人ともかなり満足のいく仕事でした。 素晴らしいことに、修正依頼が一度もなかったんです。

ーB面収録曲「R」は、どういう経緯で作曲されましたか。

「R」は作ってから大分時間が経った曲です。実は、最初の小節で歌詞と実際の曲が違う部分がありますが、雰囲気を生かすのが難しく、仮録りをそのまま使いました。確実に僕は完璧主義者じゃないと思います。満足するのが早いタイプです。

ー「R」はアルバム『jon2』(2018年2月20日リリース)に収録されていますが、このアルバムはご自身の作品の中でどのような位置付けの作品でしょうか。ほぼ同時期に発売された『jon1』(2018年1月16日リリース)との関係についても、教えていただきたいです。

『jon1』+『jon2』を合わせて『jon』というタイトルでCDとして発売したことがあります。非公式の正規1集のような感じで、僕の最初のチャプターを締めくくるアルバムです。『jon1』を仕上げた後、短期間で完成しなければならないアルバムで、とても忙しかった記憶があります。今はまた新しいチャプターを準備していますよ。心と身体をリフレッシュするような気分です。

ー今回のレコードを手にした日本の方に向けて、メッセージをお願いします!

セブンイレブンで売っていた半熟卵おにぎりが大好きです。コロナ前に最後に日本に行った時、どこにも売ってなくて食べられなかった記憶があります。ちょっと前から日本語も一生懸命勉強していますよ。いつか日本語で書いた歌詞を皆さんに聴かせたいと思います。その時まで、絶対待っていてくださいね。よろしくお願いします!       


BUZZYROOTSでは、Bside K-Indies Seriesの情報を他にもたくさん掲載中。ぜひチェックしてください!

協力・監修:Bside Label

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Akari

1994年生まれの自称、韓国インディーズPR大使。韓国のミュージシャンや業界人を中心にインタビュー記事を執筆。「韓国の音楽をジャンルレスに紹介する」をモットーに、韓国インディーズ音楽特化型メディア「BUZZYROOTS」の運営やDJイベントへの出演、アーティストのアテンドなど、多岐に渡り活動中。好きなバンドはSURL。

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