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off the menu × HALLEY 来日公演 スペシャル対談インタビュー 後編|INTERVIEW #49

2024-11-28

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off the menu × HALLEY 来日公演 スペシャル対談インタビュー 後編|INTERVIEW #49

2024-11-28

シンセ・ポップ、ドリーム・ポップ、インディー・ロック、R&B…多彩なジャンルを自由に往来する韓国のオルタナティブ・バンドoff the menuが<off the menu tour 2024>と題し、ソウル、東京、台北、そしてSXSWシドニー、世界4カ国でライブを行った(東京公演のライブレポートはこちら)。

東京公演で共演した、5人組R&BバンドHALLEYと来日公演前に対談インタビュー(前編)を行い、共感し合えるトピックの多さに、初顔合わせにもかかわらずすっかり意気投合。公演当日も、和気藹々と終始和やかな空気で会話を交わしていた彼ら。前編同様、off the menuの3名と、HALLEYから張太賢、高橋継、清水直人の3名に、ライブを終えての感想を伺った。

取材/構成:内畑美里
通訳:Kim Dejong

off the menu
HALLEY

ー<off the menu tour 2024 in Tokyo>お疲れ様でした! 東京公演を終えて、当日の感想やお互いのチームに感じたことなど、色々とお話伺えたらと思います。

アン・ジョンジュン(以下、ジョンジュン):あの、本当に申し訳ないんですけど、インタビュー始まる直前にチキン届いちゃったから、食べてもいいですか…?

全員 :(爆笑)。

ーどうぞどうぞ、気にせず食べてください(笑)。

イ・スンミン(以下、スンミン):(笑)。じゃあ僕から。まずは、東京公演とても楽しかったです。あと、演奏面に関する部分で、今までoff the menuは音楽のスタイル的にそこまで演奏に特化するスタイルではなかったというか。ぶっちゃけると、バンドとして活動しながら演奏面にフォーカスすることは忘れがちだった。でも、HALLEYのパーフェクトな演奏を見て「ああ、そうだよ。ライブってこういうことなんだよな」って。センセーショナルだったし、とても刺激を受けました。他のメンバーは分からないけど、僕は本当に久しぶりにこういうライブを見たんですよ。特に心さん(HALLEYのKey)の演奏を見て、自分はもっと頑張らないといけない、もっと練習しなきゃと刺激を受けました。公演が終わった後もHALLEYの音楽を聴き続けています。

あと、自分たちは韓国のバンドじゃないですか。いわゆる”K-POP”とカテゴライズされることもしばしばある立場ですが、海外公演を経て、本当に世界的K-POPブームが起きているんだなと少し実感できました。世界中でK-POPブームが巻き起こる中、K-アーティストとして頑張らないとなと思いました。

イ・ヒョンソプ(以下、ヒョンソプ):HALLEYのライブを見て、5人でこんなに豊かなサウンドを出せるんだという驚きがありました。皆さんたくさん機材を持ち込んでいたと思いますが、特にドラムセットのスパイラルスタッカーというシンバルが新鮮でした。映像ではよく見かけていたんですけど、実際に見るのは初めてで興味深かった。あと、お客さんの反応を受け取りながらステージとフロアの一体感を作り上げるてひょんさんのパフォーマンス姿に、僕たちももっと発展しなければと学びを得ました。

高橋継(以下、高橋):公演をずっと楽しみにしていました。ライブも本当によかったし、打ち上げで皆んなと音楽やカルチャーの話、いろんなことをお話しできて、公演だけじゃなく、その後の交流も含めて音楽的な成長があった日だったなってすごく思っています。実際会えたのは公演当日だけだったんですが、すごく仲良くなることができて、off the menuは心のお兄ちゃんみたいだなと思っています(笑)。また対バンすることができたら、次は一緒に「Aussie Blues」を演奏したい。off the menuとHALLEYのメンバー全員で何かやりたいです。

          

張太賢(以下、てひょん):僕もすごい楽しかった。公演当日は朝3時ぐらいまで一緒にいたのかな? 最初に出会った瞬間から最後まで、まだ鮮明にその日を覚えています。off the menuのライブは、まず音がすごかった。音源の分厚さをそのまま体験することができてめちゃめちゃ良かったです。グルーヴ感をキープしつつ、要所要所で良いギミックだったり、アレンジも華やかだった。以前、<MIND TRAVEL>というイベントでADOYさんのライブを見たとき、韓国の音楽・バンドシーンはシンセがとても重宝されているんだなという印象を持っていたんですが、その中でもoff the menuは群を抜いている気がしてて。シンセの扱い方や楽曲の作り方、あとボーカルとしての立ち回り、声の出し方、雰囲気など含めて、すげえなって。シンセに対する理解がとても深いバンドなんだなと思いました。終演後に「どういうシンセ使ってるんですか?」って話もしましたね。音作りの面で、まだまだoff the menuには敵わないなって刺激を受けましたね。このかっこよさに負けてちゃいけないと思いながら聞いてました。

ジョンジュン:ねえ、ちょっとお互いに褒め合い過ぎてるから、今からディスり合おうよ(笑)。

全員:(笑)。

清水直人(以下、清水):次、俺のコメントなのに…(笑)。まず、僕の知らない間に継とてひょんが終演後みんなで打ち上げに行ったっていうのを聞いて、めちゃくちゃ悔しいっていう(笑)。ライブに関しては、音源で聴いたときの印象としてあった、重厚なシンセサウンドや緻密なサウンドに包まれる感じがすごく気持ちいいなと思っていたんですが、ライブだとより立体的に、より重厚にそのまま体に来る感じがすごく気持ちよくて、やっぱりいいバンドだなと思いました。てひょんと似た話になりますが、シンセの音が本当にいいなって。僕はドラマーですがシンセ買いたくて仕方なくなっちゃって、最近シンセのことしか考えてないです(笑)。

てひょん:僕は1週間前に買いました(笑)。

清水:継はショートシンセ買っちゃったしね(笑)。それだけoff the menuの音楽が我々にインパクトを与えている部分もやっぱあるんじゃないかな。あと、「Cherokee」のサビのフレーズが頭から離れなくて、ずっと流れ続けてる(笑)。この曲は、特にベースがかっこよくて好きです。さっきヒョンソプさんがシンバルに触れてくれたけど、僕もいつか一緒に演奏したいなと強く思いました。 あと、MCでスンミンさんが「緊張で手が震えてる」って話をしていたと思うんですが、こんなに立派なミュージシャンたちでも緊張するんだなって、ちょっとホッとした(笑)。でもそりゃ海外から来て慣れない環境だと緊張するよなと。僕たち、すごく韓国行きたいですし絶対行きますので、そのときは、アウェイな環境で雛鳥のようになった僕たちを優しく見守ってほしいなと思いました(笑)。

          

ヒョンソプ:もちろんです!早く韓国来てください〜〜!

ジョンジュン:スンミンが緊張するのは仕方ないんですよ。だって軍隊から帰ってきてステージに立ったのは1回だけだから。元々ドラムだったし、シンセとしてステージに立ったのは1回だけ、しかもその後すぐ日本公演だったから、そりゃめっちゃ緊張するだろうなって。

清水:すごすぎる…!

てひょん:やばいね。いい意味でハートが強い。

ジョンジュン:HALLEYとは共感しあえる部分が多くて、すごいよかった。年齢の近い日本のアーティストと親しくなる機会があんまりなかったから、たくさんコミュニケーションを取れたことがとてもうれしかったです。それもこれも、てひょんが韓国語で通訳をしてくれたからですね。あと、今回のツアーで、シーンが異なる各国のアーティスト達と話をして感じたのは、どこの国でも同じような悩みを抱えているんだなと。それが面白く感じたし、悩みを共有することで気持ちが楽になった。だから、お互いにサポートし合っていきたいなって強く感じました。

あともう一つ。互いをリスペクトをしているという気持ちが、言葉だけで終わっていない感じというか…例えば公演が終わった後に、僕たちにリミックスを任せたいと言ってくれたこととか。これからも続いていく感じが、とても意味があるように感じました。リミックス制作の経験はありませんが、他の方々の音楽を自分たちが再解釈する作業はとても面白そうだなと思ったので、これから楽しく作業してみようと思います。

HALLEYの新曲「Billet-Doux」もすごく良くて聴いています。

          

清水:HALLEY側も一緒の気持ちです。リミックスを快く受けてくれて、本当にリスペクトを感じるというか。

てひょん:うん、本当に。

ー元々どちらか一方のリスナーだった方々が、公演を見て「今日はすごく良い音楽を知れたな」と、会場でお話しされていたりSNSで反応してくださっている姿を見かけて、とてもうれしいなと思ったのですが、そのような雰囲気はステージにも届いていたのでしょうか。

てひょん:僕らも感じてました。僕たちのファンの皆さんがoff the menuのライブで盛り上がっていたり、MC中にコミュニケーションが起きてるところを見たとき、ああよかったなって。その一場面見ただけで、ああ、今日は良い対バンになったなっていうのがすぐわかった。僕らのファンの方たちが、SNSで「off the menuの音源がすごい良い」とか、「Cherokee」を覚えている姿を見たときに、みんな楽しんでくれていたんだなということが結果として目に見えてうれしかったですね。国境を越えてしっかり音楽が混ざった瞬間だったとも感じましたし、僕らがアジアンソウルやっていることも証明されたような…アジア全体に通用する音楽を、両者がやってるんだなっていうことが、公演を通して再認識できた気がしました。

ヒョンソプ:個人的に記憶に残っていることなんですけど、1列目に日本の方々がいたんですよ。HALLEYのファンの方だと思うのですが、ライブ中とても反応をしてくださって、それがうれしくて今でも鮮明に覚えています。改めてHALLEY、そしてファンの皆さんに感謝を伝えたいですね。

高橋:僕たちも同じ気持ちです。この日はライブ中ずっと反応をいただけて。色んな方向からレッツゴー!みたいな。最高だなって思っていました。

ー本当に、その場にいるすべての人が楽しんでいる素敵な時間でしたよね。では最後に、2チームそれぞれ今後の予定や告知などがあれば。

ジョンジュン:僕たちは来年5月リリース予定のアルバム『Concrete Valley』の準備をしています。 今までシンセ・ポップをはじめとする様々なジャンルの音楽を表現してきましたが、今回は僕たちが今までやってこなかった新しいエレクトロ・アルバムにしようと思っています。アルバムタイトルから連想する、コンクリートの都心的なイメージと、バレーが意味する渓谷などの自然的なイメージ、相反する2つのワードから「今回はアコースティックの要素が入ったエレクトロなアルバムを作りたい」とアイデアを膨らませました。

11月末はタイの<VERY FESTIVAL>というフェスに出演、そして12月8日に韓国で今年最後の公演を行う予定です。それが終わったら、しばらくはアルバム作業のために地下に潜ります。

てひょん:HALLEYも今、どんどんシングルを作っています。今回10月・11月と2ヶ月連続でリリースしたシングルも、”どこまで音楽の幅を広げることが出来るのかチャレンジ”をずっとやってるんですが、来年まで(多分)シングルを続けてリリースしていく予定です。まだ2作目のアルバムについては考えていない状況なので、そこに紐づくような答え探しをレコーディングしながらやっていきます。もうすぐワンマンツアーがスタートするので、まずツアーを無事成功させて、すでに決まっている年明けのライブもこなして、そして曲作りをして…と、徐々にファクトリーモードに入っている感じです。

ジョンジュン:韓国でライブやってください。あと、早くソウルでミュージックフォース撮らなきゃ(笑)。

注)ミュージックフォース…韓国のカンナムにある楽器販売店。公式のYoutubeチャンネルがあり、ギターやベースで様々なアーティストのカバー演奏をアップしている。

HALLEY:わはは(笑)。

てひょん:そう遠くない未来だと信じたい(笑)。僕ら、本当に台湾と香港と韓国をまとめて回りたいってずっと言ってるので、絶対やります!

ー実現しますように! 改めて、<off the menu tour 2024 in Tokyo>ありがとうございました!

全員:ありがとうございました!

        

【参考記事】東京とソウルのシーンが共鳴する一夜 off the menu×HALLEY ライブレポート

          


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