韓国インディアーティストに特化した音楽チャート「K-INDIE チャート」の2025年9月26日〜10月10日分をご紹介。

NEWCOMER OF THE WEEK
2位|チュ・ヘリン『stereo』[サイン盤]【エレクトロニック】
4位|Sanmanhan『Sanmanhan 2』【フォーク】
5位|クォンナム『The Fragrance of Life』【フォーク】
9位|FROMM『Q.E.D』【ロック】
22位|MODO『SNAKE EYES』【ロック】
30位|STi『Lens and the City』【R&B】
SUMMARY
今回の首位は、HANRORO(ハンロロ)『JAMONG SALGU CLUB』が獲得。若者の孤独や不安を疾走感あるロックサウンドで表現し、現在のインディシーンで最も勢いのあるシンガーソングライターの一人だ。2位にはジャズやポップスを横断する洗練された音楽性で注目を集めるHyelyn Joo(チュ・ヘリン)のEP『stereo』がランクインしており、女性ソロアーティストの活躍が目立つ週となった。
ニューカマーからの注目は、4位に初登場したフォークデュオ・Sanmanhan(サンマンハン)の『Sanmanhan 2』を紹介したい。2000年生まれの彼らは、2025年の韓国大衆音楽賞で「今年の新人賞」を受賞した実力派。
今作には「Gangneung Asan Hospital(江陵アサン病院)」や「Cleaning the room」、「Chinatown」といった、具体的で生活の匂いがするタイトルが並ぶ。しかし、その中身は単なる日常礼賛ではない。時に「失敗したドキュメンタリー」と自称するように、彼らの視線は、若者が抱える無力感や整理しきれない感情の断片をあえて整えずにそのまま突きつけてくる。素朴なフォークサウンドの中に、鋭く、少し捻くれたリアリズムが潜んでいる。
続いて5位には、現役の小学校教員として教壇に立ちながら活動するシンガーソングライター・Kwon Tree(クォン・ナム)の4thフルアルバム『The Fragrance of Life(삶의 향기)』 がランクイン。変わりゆく時代の中で感じる小さな寂しさと、喪失と獲得の間にある真実を見つめた作品である。「私たちの日常は円を描いているのではなく、螺旋を描いて進んでいる」という彼の言葉通り、日々の暮らしに漂う「人生の香り」を丁寧に掬い上げた、滋味深いフォークサウンドが胸を打つ。
その他、シンガーソングライター・FROMMや、MODO、STiといった個性豊かなアーティストが新たにチャートインを果たしているほか、HYOKOHやwave to earthなどのLP盤・再発盤も多数ランクインし、フィジカル作品への根強い需要を感じさせる結果となった。

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