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Snake Chicken Soup 7インチレコード発売記念インタビュー|INTERVIEW #51

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Snake Chicken Soup 7インチレコード発売記念インタビュー|INTERVIEW #51

新進気鋭の韓国ミュージックを国内に紹介するレーベル〈Bside〉が、韓国音楽シーンを盛り上げているアーティストの既発曲からセレクトし、バイナルカットするプロジェクト『Bside K-Indies Series B333』。その第9弾が、3月5日(水)にリリースされる。今回は「ラウド系バンド特集」として、Snake Chicken Soup(スネークチキンスープ)、bongjeingan(ボンジェインガン)、Wah Wah Wah(ワワワ)が取り上げられた。リリースを記念し、3組のインタビュー記事を公開していく。

Bside K-indies Series B333

1組目は、Snake Chicken Soup。昨年、東京・渋谷で開催されたアジアのインディ音楽に特化したショーケース<BiKN shibuya> でステージヘッドライナーを務めた実力派バンドである。

Snake Chicken Soup

昨年出演した音楽フェスでの思い出やこれまでリリースしてきた作品の魅力、そして、今回のレコード発売に込めた想いを語ってもらった。

企画/Bside
取材・文/kixxikim
編集・翻訳/AKARI(BUZZY ROOTS)


—— こんにちは、Snake Chicken Soup! 日本のファンの皆さんに挨拶をお願いします。

チェ・ウォンビン(以下、ウォンビン):こんにちは! 日本の皆さん!
FRANTS:Rock and roll here to stay!!!!!
DR:Hello! Buzzy Roots!!

—— Snake Chicken Soupを知らない日本のリスナーのために、バンドの紹介をお願いします。

Snake Chicken Soup:ボーカリストのチェ・ウォンビン、ベーシストのFRANTS、ドラマーのDRで構成された3人組バンドです。90年代のガレージ、パンク、ハードコア、ヘビーメタルといった力強いロックサウンドをベースに、ジャンルの伝統を守りつつ、新しいサウンドを生み出しています。ギタリストが存在せず、ベースで独自のギターサウンドを表現しているのが特徴です。

ウォンビンは、バンド「Wetter(ウェター)」出身のフロントマン。FRANTSは、バンド「Ghetto Bombs(ゲットーボムズ)」「Telepathy(テレパシー)」 出身で、現在はK-POPレーベル〈HYBE/BIGHIT〉のメインプロデューサーとして活動中です。 DRは、韓国を代表するエレクトロニックバンド「IDIOTAPE(イディオテープ)」の一員でもあります。

—— 2025年になりましたね。2024年の年末をどのように過ごしましたか?

ウォンビン:<COUNTDOWN FANTASY 2024-2025(以下、CDF)>で兄さんたち(=FRANTS、DR)と一緒にライブをしました。ちょうど僕が育った地元で行われた音楽フェスだったので、ライブを終えた後、幼馴染と一緒にイベントを楽しむことができました。

FRANTS:CDFでのライブは本当に楽しかったです。ライブ後にはCDやTシャツを直接ブースで販売するイベントがあり、多くの方が来てくれて感動しました。カウントダウン自体は車内で電話しながら迎えて、年が変わって早々に寝てしまいました。

DR:CDFでは、Snake Chicken SoupとIDIOTAPEの両バンドで出演しました。Snake Chicken Soupのステージは2024年の夜8時、IDIOTAPEは2025年の午前3時と、2024年の最後と2025年の最初のパフォーマンスを同時に経験することになりました(笑)。

Photo by Hong Taesik, @COUNTDOWN FANTASY 2024-2025

—— ロックフェスといえば夏。昨年は<Busan International Rock Festival>など多くの野外フェスに参加されたと思いますが、印象的だった瞬間を教えてください。

ウォンビン:フェスのたびにウォール・オブ・デスをやるんですが、その瞬間がとても印象的でした。僕はフロントマンなのでステージの前で歌っていますが、ときどき振り返って二人を見ていると、一緒にこの瞬間を共有していることに感動します。江原道の襄陽(ヤンヤン)で開催された<THE GRATEFUL CAMP>ではお客さんがステージに上がってきたんですが、人類愛を感じるほど美しい瞬間でした。

FRANTS:どの公演も、いつも最高に楽しいです。

DR:すべてのフェスで予想を超える観客の反応があり、どれも印象深いですが、昨年の<DMZ PEACE TRAIN MUSIC FESTIVAL>が特に記憶に残っています。僕がバンド活動で初めて挑戦したウォール・オブ・デスが大成功したのがうれしかったです。

—— ウォンビンさんがお話しされたように、特に「K!LL ME」のMVは、<THE GRATEFUL CAMP>でのライブ映像を編集して制作されていますよね。観客が肩車されているシーンやスラム、さらには観客がステージに上がる様子まで、Snake Chicken Soupへの熱狂がそのまま伝わってきます。このMVを制作したきっかけを教えてください。

Snake Chicken Soup:パンク音楽ならではのロマンが詰まった映像を作りたかったんです。企画から実行まで無茶なこともたくさんありましたが、多くの方々の助けがあって実現しました。映像に映っているものすべてがリアルだったので、そのエネルギーがそのままMVに込められています。協力してくださった皆さん、本当にありがとうございました!

—— メンバー全員がロックシーンで長く活動してきた経験をお持ちですよね。それが理由なのか、Snake Chicken Soupのライブは明らかに何かが違うと感じます。観客を熱狂させるためのSnake Chicken Soupならではのノウハウがあれば教えてください。

ウォンビン:特別なノウハウがあるわけではないですが、メンバーの演奏やお客さんのエネルギーを最大限感じながら、今この瞬間に完全に没入しようとしています。ステージに立つときには、解放感を思い切り楽しんでいます。

FRANTS:実は、僕がライブをしているとき、自分だけの世界に入り込んでいる気がします。誰かにカッコよく見せたいという気持ちも特になくて。自分だけの世界で、自分だけのロックを披露する “自分だけが知っているロックスター” のような感覚と言いますか(笑)。そのせいか、ときどきライブ中であることを忘れることもあります。

DR:メンバーそれぞれが個々で長く音楽活動をしてきましたが、常に新人バンドのような姿勢でライブに臨むことが秘訣かもしれません。”美味しく熟した新鮮な料理!”みたいな感じ?

—— 昨年11月に<BiKN Shibuya>で初の海外公演となる来日ライブを成功させましたね。初の海外公演で、ワクワクと緊張が入り混じった気持ちだったのではないでしょうか? 来日公演を振り返っての感想を教えてください。

ウォンビン:日本のお客さんは韓国より落ち着いているという話を聞いていて、どうやってその落ち着きを興奮に変えようかと悩んでいました。でも実際には、たくさんの方が声を上げてくれたり、体を一生懸命動かしてくれる姿を見て安心しました。初めて一緒に仕事をした日本の音響や照明チームの技術にも驚かされました。

FRANTS:まず、とても楽しかったです。そして、すべてが細やかで、スピーディーかつ正確な日本のスタッフの方々が深く印象に残っています。美味しい食べ物もたくさん食べました。

DR:初めての海外公演でしたが、スケジュールの都合で東京にはみんな別々の日に到着し、練習もあまりできなかったので、とても心配でした。ライブで初めて披露する曲もあったので。でも幸い、会場の多くのスタッフやBiKNの関係者の方々がたくさん助けてくださったおかげで、ライブを無事に終えることができました。そして、僕はこれまで何度も日本で公演をしてきましたが、初めてファンの方にサインをした経験がとても印象に残っています(笑)。

—— 11月には初のフルアルバム『Homemade Fast Food』をリリースされました。アルバムの紹介をお願いします。

Snake Chicken Soup:“家で心を込めて作った身体に良いジャンクフード”という、あり得ない意味で名付けたアルバム名なんです(笑)。でも、僕たちの音楽にはまさにそんな魅力があると思います。Snake Chicken Soupの魅力とエッセンスをしっかり詰め込んだアルバムです。ぜひ聴いてください!

     

—— 何よりも、アルバム全曲がワンテイクで録音された点が非常に興味深かったです。レコーディングでは、音を最大限洗練させ、変数を最小化することが求められる現代の音楽シーンを考えると、とてもユニークな選択だと思いました。どういった経緯でワンテイクを選ばれたのでしょうか?

ウォンビン:ワンテイクにこだわったというよりも、兄さんたちの演奏にはワンテイク以上の時間が必要なかった、ということかもしれません。

FRANTS:即興的に下した決断です。僕はDAWやデジタルエフェクターなど、多くのデジタル機材を使用しています。最新技術やサウンドにももちろん関心がありますし、それを活かして普段から毎日のように作曲しています。ただ、バンドでの作業は少し違うアプローチをしたかったんです。もっとロックバンドらしい方法が必要だと感じました。とはいえ、アナログ機材を使い、アンプにマイキングをして、リールテープマシンに録音するという完全アナログな手法を取るほど真面目ではないですが(笑)。

2024年にロックバンドができる最も伝統的な作業方法が “ワンテイク・レコーディング” だと思い、それで進めることにしました。結果的に音程の乱れやミスもありますが、より自然で生々しい感覚を表現したかったので、満足のいく結果になりました。

DR:FRANTSのアイデアでしたが、僕もロックバンドならアルバムはライブの延長だと考えていたので、ワンテイクは良いアイデアだと思いました。アルバムで聴いたサウンドをそのままライブでも届けたかったんです。

—— 今回のBsideによる『K-Indies Series B333』には、「MORE&MORE&MORE(더더더)」と「SMASHHH(부셔ㅕㅕㅕ)」の2曲が7インチに収録され、リリースされます。まず「MORE&MORE&MORE」について教えてください。

Snake Chicken Soup:「MORE&MORE&MORE」は、自分でも気づいていなかった望みを初めて認識し、それらをすべて手に入れたいという、少し生意気だけど、正直で純粋な少年の歌です。

—— B面に収録された「SMASHHH」はライブでも非常に愛されている、Snake Chicken Soupを代表する曲ですよね。この曲についての紹介や制作エピソードがあれば教えてください。

Snake Chicken Soup:「SMASHHH」は、「MORE&MORE&MORE」で語られる欲望を実現することを妨げるすべてのものをぶち壊してしまおうという歌です。やはり少し生意気でありながらも正直で純粋な少年の歌、第2弾という感じですね。

—— 先日、フルアルバムのリリースを記念して2日間の単独公演を開催しましたね。ウォンビンさんの素晴らしいフェイスペインティングが印象的でした。また、サポートアクトとして若手バンドの「OYSTERS(オイスターズ)」と「HIGHSCHOOL DROPOUT(ハイスクールドロップアウト)」を選んだ点も非常に興味深かったです。この単独公演の感想やエピソードをぜひお聞かせください。

ウォンビン:初めて僕たちの”本当のファン”に会える場のように感じられて、とても幸せでした。それから、高校生バンドである2組の野獣のようなエネルギーを感じて、「やっぱりロックンロールはこうじゃなくちゃ」と思いました。彼らのパフォーマンスからたくさん学び、感心しましたね。

FRANTS:最高に楽しかったです。先ほどの回答で、僕はステージの上で「自分だけの世界で自分だけのロックをしている」と言いましたが、単独公演では、世界と断絶することなく観客やメンバーと何かをやり取りしているような気分になりました。はっきりと何かを感じとったんです(笑)。これからのSnake Chicken Soupが楽しみです。

DR:初めての単独公演だったので不安も多かったし、反省点も残りましたが、予想以上に雰囲気が良く、幸せな時間でした。特に「I Am My Own God(내가 나의 신이야)」から2曲目「DIRTY ROOM(지저분한 방)」に移行する際、思いがけないドラムソロからギターへ、FRANTSとのアイコンタクトだけで正確に繋がった瞬間は、「これがチームワークだ」と感じました。

Photo by MU

—— 最後の質問です。2025年のSnake Chicken Soupの計画、そして7インチレコードを手にする日本のファンの皆さんへメッセージをお願いします。

ウォンビン:韓国のスタミナ料理(=スネークチキンスープ)は、日本のみなさんの好みにもきっと合うと思います。もっと頻繁に会って仲良くなれたらうれしいです。

FRANTS:日本にもっと行きたいです。そのためには皆さんの助けが必要です(笑)。無理はさせたくありませんが、クールに振る舞うつもりもありません。2枚ずつ買う必要はありませんが、今年、家族や友人の誕生日プレゼントに僕たちの7インチなんていかがでしょうか?

DR:今年も新しい音楽をたくさん作って、もっとたくさん公演をしたいです。それに、7インチがたくさん売れて、日本でも頻繁に公演ができるようになったらうれしいです。よろしくお願いします!

       

リリース情報

Snake Chicken Soup『MORE&MORE&MORE / SMASHHH』

Release Date:2025.3.5 (Wed.)
Format : Analog 7inch Vinyl
Label : Bside / Lawson Entertainment, Inc.
Cat.No.:HR7S327
Price:¥2,640 (tax incl.)
Tracklist:
A1. MORE&MORE&MORE
B1. SMASHHH

■予約サイト:HMV&BOOKS online

          

 

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