Kim Marie『Love Letter』 | Album Review Vol.5 ► BUZZY ROOTS

シンガー・ソングライターのKim Marieが1st Album『Love Letter』を10月30日（月）にリリースしました。

Kim Marieは2018年に『기억을 안아주는 방법(記憶を抱いてあげる方法)』でデビュー、以後精力的に楽曲制作・公演を行い同世代のリスナーから支持されるシンガー・ソングライター。ピアノでの弾き語りスタイルを中心とし、確かな演奏の実力と柔らかく美しい中高音のボーカルが魅力です。今月初頭にはSpotify公式による注目の若手アーティストを紹介するプレイリスト「Fresh Finds Korea」のカバー写真になるなど、近年少しずつ盛り上がりを見せる女性シンガー・ソングライターシーン期待のアーティストの一人であり、今回を機に今後の海外での活躍も期待されます。

ちなみに、「キムマリ」という名前から韓国の屋台で見られるあの食べ物を想像した方もいるかもしれませんが、特に関係は無いそう。

初の正規アルバムとなる『Love Letter』は、彼女が全て作詞編曲を行った8曲を収録。韓国のクラウドファンディングサイト『tumblbug』にて、アルバム制作の為のクラウドファンディングを実施、目標金額40万ウォンを大幅に越え、最終的には407人から約3000万ウォンの支援を受けて制作されました。実施にあたり、彼女は“正規アルバムという大きな壁を巡ってはなぜか体が縮こまる”とコメントしていますが、多くの人の後押しのもと制作されたようです。

SNSでは度々日本映画やアニメについて、また東京旅行の写真を投稿するなど日本カルチャーに関心を持つ彼女。映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016)に影響を受けて書き下ろした7曲目の「Miracle」は、ある秘密を抱えた女性に恋をする主人公をイメージして書かれた歌詞に注目です。

また、青春映画のような雰囲気のMVが魅力的なリード曲「A New World!」「Fly!」は必聴。昨年リリースの「Fly!」は、『Love Letter』への繋がりを感じさせる紙飛行機がカギとなっています。今を生きる彼女の感性と愛情に包まれた第一作にぜひ注目。