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【Choi Jungyoon】7インチレコード発売記念インタビュー|INTERVIEW #20

2021-08-19

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【Choi Jungyoon】7インチレコード発売記念インタビュー|INTERVIEW #20

2021-08-19

新進気鋭の韓国ミュージックを国内に紹介するレーベル〈Bside〉が、韓国音楽シーンを盛り上げているアーティストの既発曲からセレクトし、バイナルカットするプロジェクト「Bside K-Indies Series」の第5弾が7月28日(水)にリリースされた。今回リリースしたアーティストは、女性シンガーソングライターのFROMM(フロム)、CHEEZE(チーズ)、Choi Jungyoon(チェ・ジョンユン)。

BUZZY ROOTSでは、3アーティストのインタビュー記事を公開していく。


少女漫画から飛び出したような愛らしく柔和なイメージ、澄んだ声とポップなメロディーでリスナーの心を捕らえる94年生まれのシンガーソングライター、Choi Jungyoon(チェ・ジョンユン)。

        

バークリー音大出身で、SE SO NEONや10cm、Sunwoojunga等が所属するインディペンデントレーベル〈Magic Strawberry Sound〉より2019年にデビュー。「Bside K-Indies Series」プロジェクトで先立って紹介されたYoon Jiyoung、Minsuと同じく、同社の新人ミュージシャン支援プロジェクト「Beams」にて、多くのインディーズシーンのミュージシャンからその才能を見出され、選出された。メジャーデビュー以降は、モデルとしても活躍、さらには現在、女優業も視野に演技を勉強中だという。今後のマルチな活躍が期待される。

爽やかで弾むようなポップスから深い夜の感性を刺激するようなフォーク・バラードまでこなすほか、Jungyoon and Hyunseoとしてグループ活動も行っており、自分の音楽的スペクトラムを広げている。そんな彼女の楽曲は音と歌詞にギャップがあるものが多い。例えばメジャーコードと逆行するような仄暗い歌詞は「経験や体験をもとに書くことが多い」と話す彼女がその時々で感じた、様々な感情をよりリアルに表し、魅力的に聴かせてくれる。そんな点もまた、リスナーの心を捉えるポイントと言えるだろう。

海外での音楽経験など、様々なルーツのもと自分の音楽スタイルを形成してきた彼女だが、近頃はJ-POPがインスピレーションを与えてくれると語る。また、2019年にリリースした「Tokyo Tower」では東京旅行を満喫する姿がおさめられていたり、Instagramでも日本カルチャーへの関心が窺える。

今回はそんな彼女にメールインタビューを敢行。バークリー音大での生活や、音楽制作のスタイル、日本の音楽や東京旅行の思い出などについて語ってもらったほか、今回7inchに収録された「Dance with me baby」「Delete You」各楽曲に関し、制作背景についても訊いた。


音楽との出会い、そしてバークリー入学へ

—— 読者の皆さんへご挨拶をお願いいたします。

こんにちは。Choi Jungyoonです。初めまして! 日本の皆さんには初めてご挨拶しますが、このような良い機会で皆さんにお会いできて本当に光栄です!

            

—— 音楽はいつから、どのように始めたのでしょう?

幼い頃からお父さんが色んな楽器に触れられる環境にしてくれて、その影響で自然に音楽をやりたいなと思いました! 高校生の時まではフルートを専攻したいなと思っていて一生懸命入試の準備をしていたんですが、やってみてフルートは私と合わないなと思って、20歳の時に作曲で再び勉強し直して、バークリー音大に入学することになり、今こうして作曲と歌をやってます!

—— 影響を受けたミュージシャンはいますか?また、最近はどんなアルバムや楽曲を聴いていますか?

キム・ドンリュルさんは何より最も大きく私に影響をくださったと思います! 彼と私の音楽は似てないかもしれませんが、キム・ドンリュルさんの音楽を聴きながら「私もこんな曲を書いてみたい」と思って曲を書き始めたと言っても過言ではないんです! 以前はバラード曲を一番多く聴いてたのですが、最近は日本のミュージシャンにハマってたくさん聴いていますよ! 特にTENDRE,、LUCKY TAPESですね!

            

—— バークリーでの生活はいかがでしたか?授業のことや放課後のことで記憶に残っていることはありますか?

楽しかったですね! 韓国では音楽仲間が一人もいなかったのですが、大学では音楽をしている友人ばかりになったので、学ぶことも多かったし、おしゃべりする時も音楽の話をよくしていて楽しかったです! そして特に教授みんなフレンドリーに接してくれて親切だったので、遠慮なく質問することが出来ましたし、自由に音楽を学ぶことが出来て良かったです。最も記憶に残っていることは、学校のレコーディングスタジオで徹夜で制作して、コンビニで美味しいものを食べたのが一番記憶に残ってますね!ㅎㅎ

          

—— LambCやPark Hyonseoなど、バークリー音大出身の韓国のミュージシャンとの交流は在学中からあったのでしょうか?また、卒業後も親しくしているミュージシャンはいますか?

現在親しくしているバークリー出身のミュージシャンは、Park Hyonseoを除いて皆バークリーで出会ったか、韓国に帰ってきてから知り合った人です!Hyonseoは韓国で通っていたインターハイスクールで知り合って、その時からの友人なんです! 卒業後もLambC、Park Hyonseo、SUZANNEなどバークリー出身の友人たちと仲良くしていて、その他にはMinsu、Kim Marie、Han Yeoyooと親しいです!

from Jungyoon and Hyunseo YouTube Channel

           

自分に似合うメロディーと言葉で、経験を書く

—— 作曲はどの楽器で始めますか?

私はキーボードがとにかく一番やりやすい楽器なので、キーボードで始めますね! 時々ギターも使ったりはしますが、それでもキーボードは一番多く使ってます。

—— 曲を作る時、どこからアイデアを得て、どのように作り始めるのでしょうか?

ふと浮かんだことから始まる場合が多いですね! 元々考え事をするのが多いタイプなのでアイデアが連続して出てくるんですよね、そんな時に、「これで一回曲書いてみようかな?」と思う時もありますし、もしくはメロディーに乗った単語が無意識にふと出てくる時もあります。(本当に本当に時々ですが...)そしたらそのように曲を書く時もあります!

            

—— 歌詞の内容はご自身の経験や体験がベースになっているのでしょうか?

そうですね! 大部分の曲は私の経験と体験をベースに書きます。そしてたまに想像で書いたりもしますが、私は想像して書くよりも経験したことを書くのがやりやすいので好きです!

—— アルバムカバーやコンセプトフォト、MVにはどれぐらいご自身のアイデアが反映されていますか?

50%ぐらい反映されていると思います! 曲を書いた経緯を元に始まっていくので、まず私の意見を聞いてもらって、そこから他の意見を提示されて、より良いアイデアを提示してくれたら再びそこを土台にもっと進めていく、といったタイプだと思います!

           

—— Jungyoon and Hyunseoのメンバーでもありますが、結成の経緯について教えてください。

先ほどお話した通り、Hyonseoとはインターハイスクールの時に出会ったのですが、彼もバークリーに進学したことでよく話す仲になり、お互いデモをたくさん聴かせあっていたので、お互いが好きな音楽スタイルや作曲するときの感性が似ているなと感じて一緒にやってみない?という話を自然とするようになりました! 一時的にじゃなくこうして一緒にたくさんの音楽を作って長く活動することになるとは思わなかったですねㅎㅎ

            

—— 一人で制作するときとユニットで作曲するときに意識するポイントは違いますか? 具体的にどんな点でしょう?

一人で制作する時は、自分に似合うメロディーが何なのか、あえて考えて書かなくても私が書く曲なので当然自分によく似合うようになるんですが、Hyonseoと制作する時にはこのメロディーや歌詞がHyunseoに合うか想像しながら書くのでより慎重に曲を書いてると思います!

            

TENDRE、LUCKYTAPES、星野源——大きなインスピレーション」

—— 今回の収録曲についてお話いただく前に、日本のファンが親しみを感じる曲「Tokyo Tower」についてお聞きしたいです。この曲を制作することになった経緯が気になります。また、この曲のMVを実際に東京で撮影されていますが、撮影の思い出について聞かせていただけますか?

日本に住んでいた友人がいて、その子に会いに日本に行った時友人が東京タワーを案内してくれたんです。駅から東京タワーまで歩いた道と日本の雰囲気がとても綺麗で記憶に残っていたのですが、いつかこの道を、愛する人と歩いてみたいなと思って韓国に帰ってきてすぐに書きました!これは一度も話したことのない思い出です!

曲を書いてみてMVが必要になり、それでまた日本に行って撮ろう!と私をサポートしてくれた友人たちを連れてもう一度東京に行って東京タワーに行った私の姿を撮影したのですが、時間があまりなくて一日で全て撮らなければならなかったんです。ちなみに、よりによってその日はイベントのせいで特定の時間、東京タワーの明かりが点かない日だったんですよ……それでとりあえず何か食べて帰ろう!ってなってうどん食べて店を出たら、再び点いたんですよ!! それでやっと明かりの点いた東京タワーを撮ることが出来たんです!MVの最後を見ていただくと私の後ろに東京タワーが出てくるんですが、もしまた明かりが消えちゃったらと思ってめっちゃ走っていって撮ったんです...! それでメイクが落ちて疲れてる姿がそのまま映っちゃいました...! それでも東京タワーを撮ることが出来てとても嬉しかったです!

           

—— 先日、InstagramでTENDREとSIRUPのカバー動画を見て、日本語の発音がとても上手く驚きました!普段J-POPはよく聴きますか?またどのように日本の曲を探しているのでしょうか?

ありがとうございます...! ㅎㅎ 日本語が出来なくてそのまま発音するのがとても難しかったのですが、そう言っていただいて嬉しいです! 最近知人がTENDREの「HOPE」という曲をおすすめしてくれたんですが、とても良かったのでそれからTENDREの曲をYouTubeで探して韓国の音楽配信サイトでも探したのですが、とにかく韓国のサイトには音源があまり無いんですよ! なのでもっとたくさんJ-popを聴きたくてSpotifyで探して聴いています!

              

—— 近い将来、日本で自由に音楽活動が出来るようになったら、会ってみたい、もしくは一緒にライブをしたい日本のミュージシャンは誰でしょう?

想像だけでも楽しいですね! 私は、TENDREとLUCKY TAPES、そして星野源さんと一緒にやってみたいです! 最近彼らの音楽は私にとても大きなインスピレーションを与えてくれて力になっています!

          

「Dance with me baby」「Delete You」制作エピソード

——「Dance with me baby」を制作した経緯について聞かせてください。

「Delete You」のように楽しいテンポの曲を作りたいなと思って始めた曲です! リズムをまず作って、コードを作って、次に歌詞を書こうとしたらコロナウイルスが流行し始め息苦しい日々が続き、やることが多くても手につかなくて、イライラして憂鬱になってたんです。私だけこうなってるわけじゃなくて皆そうなんだろうなと思って、こんな時だからこそ自分の気持ちを盛り上げてくれるものを頭に浮かべながら一人の時も踊れる楽しい曲を作ろう!と思って作りました。

             

—— 「Dance with me baby」のMVでは爽やかなサウンド、そして心弾むような歌詞と対比して暗い顔をしていますね。この演出は監督のアイデアだったのでしょうか?

社長と社員の方々の意見だったと思います! 意外にも私は暗くて憂鬱な部分が多い人と見えていたようでそんな姿も正直に見せてみようという意味であのような演出になったんだと思います。MVの姿は私が一人で家にいる姿をより自然に見せてくれる感じでした。

                     

—— 「Delete You」はTik Tok Spotlight TOP10にランクインし、国内外で多くのユーザーに愛される曲となりました。今の感想をお聞かせください。

思っていたより多くの方が「Delete You」の歌詞に共感してくださり、愛してくださって驚きました! とても感謝しています。

              

—— 「Delete You」以外にも、過去のシングル曲がTik Tokでリリースされ、幅広く聴かれていますが、自身の曲についてこのようなSNSでの反応は制作にインスピレーションを与えますか?

はじめからSNSで多くの方々が聴いてくれて気に入ってくれるとは思っていなかったので、こういった反応が私には不思議でした! それで「こういう感じのが反応が良いのか!」と思いつつ、「次の曲にそういう要素を入れてみようかな?」と悩みますね!

             

—— 真似したくなるあのダンスは自らアイデアを出したのでしょうか?

はい、私のアイデアです! 曲が可愛くて歌詞がストレートに伝わる曲なので可愛いダンスがあったらどうかなと思って友達と一緒に作りました!

           

—— 日本で「Dance with me baby」 「Delete You」がレコードでリリースされることについて率直な感想をお聞かせください。そして今回のレコードを手にした日本の方に向けて、メッセージをお願いします。

このような良い機会でレコードを発売することになり、とても感謝しています! また韓国のファンの方だけでなく、日本のファンの方々にもお会いできる機会が出来たのが不思議だし面白い経験だなと思っています! 私に関心を寄せてくださり、レコードを購入いただきありがとうございます。体に気をつけていつか日本で必ずお会いできたらと思ってます! これからも良い姿をたくさんお見せします、ありがとうございます!

        


BUZZYROOTSでは、Bside K-indie Seriesの情報を他にもたくさん掲載中。ぜひチェックしてください!

協力・監修:Bside Label

 

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  • この記事を書いた人

Izumi

韓国ミュージックライター。他業界とパラレルワークで活動中。ドラマ、音楽をはじめ韓国エンタメ愛好歴は10年以上になるが、ライターとしてはまだ5年目。 韓国留学を機にインディシーンの虜に。 自由な表現でアイデンティティを発信している新進気鋭のアーティストを広めるべく、業界人やアーティスト等にインタビューし記事を掲載するほか、プロモーション記事企画や映像企画を実現。 近年ではアジアのミュージシャンに活動の範囲を広げ、多岐にわたり活動している。

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