韓国インディアーティストに特化した音楽チャート「K-INDIE チャート」の2020年年間トップ30をご紹介。
2020年下半期 TOP 3
Jannabi | JANNABI's Small Pieces I
前作から1年8ヶ月ぶりにリリースされた最新作。コンセプトとの不相応から正規2集と現在制作中の3集に入れることが出来なかった、進取的でもなくある意味”Jannabiらしさ溢れる”と言えるような楽曲たちが込められた。秋の感性とノスタルジーさを感じさせる。
through love|HYUKOH
カニエ・ウェスト、エイミー・ワインハウス、ビョークなどが制作作業を行ったイギリスのスタジオ・Real World Studiosで録音を行い、ベルリンでヴォーカル録音とミキシング作業を行なったという渾身の一枚。かねてよりこだわっていた、”アナログなサウンド”をより追求している。
LEGEND|Jannabi
「韓国のグラミー賞」と呼ばれる第17回"韓国大衆音楽賞"(2020)にて、タイトル曲「for lovers who hesitate」が〈今年の歌賞〉を受賞した。およそ3年ぶりにリリースされた今作はディスコやオルタナティブまで、Jannabiの特徴であるグルーヴサウンドを多角的に魅せている。
SUMMARY
2020年年間K-INDIEチャートトップ30 首位を獲得したのは、11月6日にリリースされたグループサウンズバンド・Jannabiの『JANNABI's Small Pieces I』。タイトル曲「A thought on an autumn night」のMVでは、古いデスクトップパソコンやブラウン管テレビなど90年代頃を思わせるアイテムが印象的に使われ、楽曲のノスタルジーさを引き立たせる。ボーカルのチェ・ジョンフンはMBC〈遊んだら何する〉JTBC〈ビギンアゲイン〉などバラエティ番組に出演し、今年1月31日より放送のSBS〈伝説の舞台 - アーカイブK〉でMCに抜擢されるなどテレビでも活躍の幅を広げている。年内の3集リリースが予定されており、インディーズシーンのトップを駆けるJannabiの来日も遠くないだろう。
2位の座についたのは、2020年上半期1位のHYUKOHの『through love』であった。イギリスのスタジオで録音を行ったという渾身の一作が変わらず人気を見せている。このアルバムを引っ提げてのワールドツアーが叶わなかった昨年だったが、今月27日・28日と2日間にわたり事前収録したライブ映像が有料で配信された。衣装からサウンド、ライティングまでこだわりの演出が施された豪華な映像で国内外のファンを魅了した。
下半期上位にチャートインしていたLEE NAL CHIやHa Hyunsang、SE SO NEONなど若手アーティストの勢いも感じつつ、Kim SawolやFrommなどの中堅勢、Crying NutそしてJang Pil Soonとベテラン陣のさらなる進化も見逃せない。
昨年、レーベル《Bside》とライセンスを結びローンチされた日本語版チャート。韓国インディシーンの今をチェックできる唯一無二のチャートが、日本の韓国音楽リスナーたちに新たな音楽発見の機会となり、「ネクストHYUKOH / SE SO NEON」となるような人気を集めるアーティストがこのチャートからさらに登場していくことを期待したい。
©︎Bside / Cover design by NOVVAVE RECORD
RECOMMEND
Bside代表|SUNNY
Serenade / Sunwoojunga
『Serenade』は、Sunwoojunga (SWJA ソヌ·ジョンア)の6年ぶりの正規3枚目アルバムで、第18回”韓国大衆音楽賞”(2021)に、BTSとともに最多5部門にノミネートされ、最優秀〈R&B・ソウル〉アルバム賞を受賞、メジャーとインディーの境界やジャンルを超えた傑作と評価される。「Sam Sam」と「Fall Fall Fall」など既にEPでリリースされている10トラックに新たに6曲を追加した全16トラック構成で、R&Bやソウルからエレクトロまで多彩なジャンルが彼女のオリジナリティをもって新たなジャンルとなった。普段は自分を慰めるために曲を書くが、初めて誰かのために書いたという「Serenade」は、’夜曲’という意味の通り、夜にセレナーデを聞かせてあげたい気持ちを込めたとか。特にタイトルの「Run With Me」は、コロナ渦の時代に音楽の存在価値を実感させる名曲。シンガーソングライター、プロデューサーはもちろん、ヴォーカリストとしても魅力的な一枚。
BUZZYROOTS|IZUMI
Cellophane / Fromm
2012年デビューのシンガーソングライター。EBSのインディーズアーティスト発掘番組『Hello Rookie』に選定、以後第11回(2014)・第13回(2016)『韓国大衆音楽賞』にノミネートされ、デビュー直後から長く実力派シンガーソングライターとして第一線で活躍してきました。今回のアルバムはソフトロックやオルタナティブロックなど、ノスタルジーな雰囲気漂う6曲が収録されています。タイトル曲「ALIENS」は、コロナ禍のせわしない世の中で生きる自分たちがまるで異邦人のように感じる、という気持ちを描いた楽曲。シンガーソングライターのFeel Kimを迎え、柔らかく美しい2人のハーモニーが引き立つバンドアレンジが世界から取り残された2人だけの空間を演出しています。
BUZZYROOTS|AKARI
Tailor / The BLANK Shop
“The BLANK Shop” は、ジャズピアニストのユン・ソクチョルがプロデューサーとして始動する際に掲げた新しい看板。「服屋」「仕立て屋」を意味する『Tailor』には、自身の専門分野であるジャズはもちろん、ポップ、エレクトロニック、バラードなど多様なジャンルを纏うアーティストをカスタマイズすることで、曲をプロデュースするというユン・ソクチョルの抱負が込められているんだとか。タイトル曲は、DAY6のウォンピルがボーカルとして参加したロマンチックなトラック「Love Song」、ベク・イェリン「We are all Muse」の2本立てで、その他にも、10cm、ソヌ・ジョンア、ハ・ホンジンなど、今の韓国音楽シーンを担う多彩なミュージシャンが参加しており、プロデューサーとしての器量と幅を実感できます。
K-INDIEチャートとは
韓国最大手のインディ・ディストリビューター<Mirrorball Music>が提供している、インディアーティストに特化した音楽チャート。Yes24、Interpark、MIHWADANG、HYANG MUSICなど、韓国大手オンライン販売サイトやレコードショップでのアルバム販売数を基準に算出している。韓国の実力派アーティストを紹介するレーベル<Bside>が<Mirrorball Music>と公式ライセンスを結び、BUZZYROOTSとコラボで最新のチャートを随時公開していく。
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