韓国・釜山のインディロックバンド、Say Sue Me(セイ・スー・ミー)の2年ぶりとなる日本ツアーが10月に開催されることが決定した。
今回のツアーでは、10/25(金)の渋谷クラブクアトロを皮切りに、初となる金沢と神戸でのライブを予定。東京では、以前韓国で共演したHomecomings、金沢と神戸では2022年の東京公演で共演したDYGLと、かねてより親交のあるスペシャルゲストの出演も決定しており、奇しくもどのバンドも2012年に結成されてからコンスタントにアルバムや新曲を発表し、自国にとどまらずアジアや欧米でも積極的な活動を行ってきたという共通点がある。
Say Sue Meは、2012年に結成。現在のメンバーは、チェ・スミ(ボーカル/ギター)、キム・ビョンギュ(ギター)、キム・ジェヨン(ベース)、イム・ソンワン(ドラム)の4人。
2014年にデビュー・アルバム『We’ve Sobered Up』、翌年にはEP『Big Summer Night』をリリースし、2017年には英ロンドンのレーベル、Damnablyと契約、初のUKツアーも果たし、BBCラジオで頻繁にオンエアされるなど、話題を呼ぶ。2018年2月、シングル「Old Town」がPitchfork、NPR、KEXP 等で取り上げられ、アメリカでも注目を集める中、同年4月にセカンド・アルバム『Where We Were Together』をリリース、8月には初来日。
翌年、第16回韓国大衆音楽賞でBTSと並ぶ最多5部門にノミネート、最優秀モダンロックの2部門(アルバム及び楽曲)を受賞、ヨーロッパ、アジア、北米でツアーを行った。2021年にはドラマ『わかっていても』と『ユミの細胞たち』に書き下ろし楽曲を提供。2022年5月、4年ぶりとなるフル・アルバム『The Last Thing Left』をリリースしている。
同年10月には結成10周年を記念したカバーアルバム『10』、2023年には、彼らのファンを自任するヨ・ラ・テンゴのジェイムズ・マクニューがカヴァーアートを手がけた2曲のデジタルシングルをリリースし、初の九州ツアー、久々の北米・メキシコツアーも行うなど、充実した活動を見せている。
今回は、そんなSay Sue Meのインタビューをお届け。暑かった夏の思い出を振り返りながら、目前に迫った日本ツアーの意気込みを語ってもらった。
企画/Bside
取材・構成/kixxikim
翻訳/Akari(BUZZY ROOTS)
Say Sue Meといえば夏、夏といえばフェス
ー こんにちは、Say Sue Meのみなさん!日本のファンの方々に向けて挨拶と自己紹介をお願いします。
こんにちは、日本のみなさん!釜山を拠点に活動するバンド、Say Sue Meです。
ー 特に暑い夏でしたね。みなさんそれぞれ、この夏をどのように過ごしましたか?
チェ・スミ:もちろん、とても暑かったですが、渓谷に行ったり、海水浴をしたり、フェスで演奏したり、夏らしいことをしながら過ごしました。
キム・ビョンギュ:夏だからといって特別に何かをすることはなく、いつも家と作業場を行ったり来たりする日々でした。
キム・ジェヨン:プールで泳いだり、美味しいミルミョンを食べたりして、幸せな時間を過ごしました。
イム・ソンワン:毎日エアコンを開発したウィリス・キャリアさんに感謝しながら過ごしていました。特に、僕は日光アレルギーがあって長時間の屋外活動が難しいのですが、毎年夏が終わるころには「無事に過ごせてよかった」と思います。今年もそうでした。
ー Say Sue Meといえば夏、夏といえばフェスティバルですね。Say Sue Meのパフォーマンスを見ると平和な気持ちになります。今年の8月に韓国・仁川で開催された<仁川ペンタポート・ロック・フェスティバル>でも大きなサークルモッシュができましたが、とても平和な雰囲気でした。サークルの中でお客さんが踊ったりもしていましたね。
ペンタポートはとても暑いという心配がありましたが、しっかり心の準備をしていたおかげで、思ったよりも大丈夫でした。どんなに暑くてもフェスティバルなので、走ったり盛り上がったり興奮したりするのが大半の人の求めることだと思います。私たちのパフォーマンスがその雰囲気を保ちつつ、平和な時間を届けられるといいなと思っていますが、そんな私たちの思いを理解して楽しんでくださったようです。
ー スミさんは、これまで見たことのない新しいギターを今回のステージで披露したように見えました。
スミ:カナダのケベックにあるLewis Guitarsというところのギターなんです。偶然知り、ありがたいことにエンドースメント契約をすることになりました。ギターが本当に美しいんです。ちょうどペンタポートの前に届いたので、普段使っていたギターと新しいギターの両方を持っていきました。新しいギターをペンタポートで使うことができて、とてもうれしかったです。
ー これまでのステージと今回のペンタポートのステージの違いを挙げるとすれば何でしょうか。
セットリストで工夫した点としては、まだリリースされていない新曲でライブを始めてみたことと、雰囲気をもっと盛り上げるために、どこかで聴いたことがあるようなカバー曲をやりたくて、The Ramones(ラモーンズ)の「Rockaway Beach」を入れてみました。
そして、私たちがアジアツアーを行うときに担当してくださる日本のエンジニアの方がいるのですが、今回は折坂悠太さんのエンジニアとして来られて、私たちのサウンドも担当してくださいました。いつも安心して、信頼して一緒に仕事ができる方です。
ー その方は今回の日本ツアーにも一緒に来られますか?(笑)
はい、そうです。ツアー中ずっと一緒にいてくださる方がいて、とても心強いです。
どこに行っても「みんなに楽しんでほしい」
ー これからのツアーについてお話ししましょう。Homecomings、そしてDYGLと一緒に公演を行いますね。両バンドと一緒にステージに立つことを含め、今回の日本ツアーで期待していることはありますか?
これまで常に海外ツアーをたくさん行ってきましたが、今年はこの日本ツアー以外に予定がありません。だからこそ、今回のツアーが楽しい音楽の旅になることをとても楽しみにしています。HomecomingsとDYGLはどちらも以前一緒に公演したことがあるので、再会できるのが本当にうれしく、楽しみです。
ー 過去のインタビューで、Say Sue Meの海外公演で最も印象深かったモーメントとして、ジェヨンさんが鹿児島の<THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL>を挙げていました。どのような点が印象に残ったのでしょうか? 昨年行われた短い九州ツアーについても教えてください。
福岡では単独公演を行い、佐賀のある大学の学園祭にも行きました。想像していたよりもずっと小規模なイベントでしたが、その場所の風景やお祭りのすべてがとても平和でした。そして、<THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL>にも行きましたが、私たちがそのフェスで演奏する初の海外バンドだったそうです。控室の前には韓国語で「歓迎します」といった挨拶が貼られていて、本当に驚きました。さらに、バックステージにはものすごく美味しい料理がたくさん並んでいたのですが、私たちの口に合わないかもしれないと心配して、わざわざ韓国料理も用意してくださっていました。そんな細やかな心遣いと美しい風景が忘れられません。
ー 些細な質問ですが、メンバーそれぞれが好きな日本のアーティストがいるかどうかも気になります。
スミ:Fishmansが大好きでした。最近は戸張大輔さんを知り、よく聴いています。
ビョンギュ:子どもの頃はFishmansをよく聴いていました。
ジェヨン:never young beachが大好きです。
ソンワン:初めて音楽を学び始めたときは、CASIOPEAやT-SQUAREといったフュージョンジャズのグループが好きでしたし、ELLEGARDEN、SIAM SHADE、L'Arc~en~Cielのようなロックバンドもよく聴いていました!今はONE OK ROCKを愛してよく聴いています。比較的最近知った羊文学やくるり、never young beachの音楽も好きです!
ー 海外を含め、多くのフェスのステージを経験してきたと思いますが、国内と海外の舞台で感じる感情は違いますか?
大きくは違わないと思います。どこに行っても「みんなに楽しんでほしい」という気持ちが一番大きいです。ただ、お客さんの雰囲気は確かに少し違いますね。特に韓国はとても熱狂的で、そのエネルギーが他よりも強く感じられることが多いです(笑)。
ー 最新シングル「Mind is Light」「4am」の展開が興味深いです。前作『The Last Thing Left』(2022)で語られた人間関係や友情、さまざまな形の愛とは異なり、少し憂鬱で不安な感情が感じられるように思います。
年齢を重ねて、長い間バンド活動を続けていく中で、自然とそうした時間を過ごしているように感じます。今がどんな状況であっても、希望をもってできるだけうまく乗り越えようというメッセージを込めています。
ー これらの既発曲が、次回作に関するヒントになるのでしょうか? 次のアルバムについて少しヒントをください。(笑)
おそらくその延長にあるのでしょうね。私たちは自然と、今できることやこの瞬間のありのままを音楽に込めるようになっていると思います。
ー 最後に、日本のファンのみなさんへメッセージをお願いします。
今回も皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。どうぞ気軽に来て、楽しんでいってください。
Say Sue Me 日本ツアー詳細
『SAY SUE ME Japan Tour 2024』
東京
公演日:2024年10月25日 (金)
会場:東京 渋谷 クラブクアトロ
時間:開場 18:00 / 開演 19:00
出演:Say Sue Me, Homecomings
チケット:ZAIKO
前売 ¥5,500, U-23 ¥3,500 (1ドリンク別)
9月28日(土) 12:00より ZAIKO にて発売開始(最速受付)
お問合わせ:渋谷クラブクアトロ 03-3477-8750
金沢
公演日:2024年 10月26日 (土)
会場:金沢 REDSUN
時間:開場 18:30 / 開演 19:00
出演:Say Sue Me, DYGL
チケット:ZAIKO
前売 ¥4,500, U-23 ¥2,500 (1ドリンク別)
9月28日(土) 12:00より ZAIKO にて発売開始(最速受付)
お問合わせ:REDSUN info@redsun-knzw.com
神戸
公演日:2024年 10月27日 (日)
会場:神戸 RINKAITEN
時間:開場 18:30 / 開演 19:00
出演:Say Sue Me, DYGL
チケット:ZAIKO
前売 ¥4,500, U-23 ¥2,500 (1ドリンク別)
9月28日(土) 12:00より ZAIKO にて発売開始(最速受付)
[お問合わせ] RINKAITEN instagram
主催: BEACH TOWN MUSIC
協力: KAKUBARHYTHM, BAYON PRODUCTION
出演アーティスト プロフィール
Say Sue Me
韓国・釜山の4人組インディー・ロック・バンド。2012年に結成。2014年にデビュー・アルバム『We’ve Sobered Up』、翌年にはEP『Big Summer Night』をリリース。2017年に英ロンドンのレーベル、Damnablyと契約、初のUKツアーも果たし、BBCラジオで頻繁にオンエアされるなど、話題を呼ぶ。2018年2月、シングル「Old Town」がPitchfork、NPR、KEXP 等で取り上げられ、アメリカでも注目を集める中、同年4月にセカンド・アルバム『Where We Were Together』をリリース、8月には初来日。翌年、第16回韓国大衆音楽賞でBTSと並ぶ最多5部門にノミネート、最優秀モダンロックの2部門(アルバム及び楽曲)を受賞、ヨーロッパ、アジア、北米でツアーを行った。2021年にはドラマ『わかっていても』と『ユミの細胞たち』に書き下ろし楽曲を提供。2022年5月、4年ぶりとなるフル・アルバム『The Last Thing Left』をリリース。
■ Instagram / 公式HP
Homecomings
メンバーは畳野彩加(Vo./Gt.)、福田穂那美(Ba./Cho)、福富優樹(Gt.)。これまで台湾・韓国・イギリスなどでの海外ツアーや、5度に渡る「FUJI ROCK FESTIVAL」への出演など、2012年の結成から精力的に活動を展開。心地よいメロディに、日常のなかにある細やかな描写を紡ぐような歌詞が色を添え、耽美でどこか懐かしさを感じさせる歌声が聞く人の耳に寄り添う音楽で支持を広げている。
2017年からは、イラストレーター・サヌキナオヤ氏と共同で、映画と音楽のイベント「New Neighbors」をスタート。彼女たちがセレクトした映画の上映と映画にちなんだアコースティックライブの二本立てイベントを主催。2019年には映画『リズと青い鳥』、映画『愛がなんだ』の主題歌を担当。Vo畳野は、くるりやASIAN KUNG-FU GENERATIONの楽曲にゲストボーカルで参加するなど、活動の幅を広げている。2021年春IRORI Recordsよりメジャーデビュー、2023年にメジャー2ndアルバム『New Neighbors』をリリース。今年11月27日にメジャー3rdアルバム『see you, frail angel. sea adore you.』リリース予定。
■ Instagram / 公式HP
DYGL
2012年に大学のサークルで結成。アメリカやイギリスでの長期滞在を通じて世界中の音楽ファンを魅了している全編英詩のギターロックバンド。洗練されたサウンドと鮮烈なパフォーマンスは、国内外を問わず高い評価を受けている。1stアルバムは Albert Hammond Jr.(The Strokes)がプロデュースし、期待のインディロックバンドとして多くのメディアの注目を集めた。2ndアルバムは2019年にリリースされ、約6ヶ月に及ぶ53都市のアルバムツアーを遂行し、日本のみならず北京、上海、ニューヨークでチケット完売となる快挙を達成。そして、3rdアルバム『ADAZE IN A HAZE』は「Sink」や「Half of Me」といった話題楽曲が収録された万人に愛される作品となった。2022年には、自らMIXや録音なども手がけた完全セルフプロデュースアルバム『Thirst』が世界中で大きな反響を呼び、タイの Maho Rasop Festival に出演。そして2023年には Treefrot Music Fest 2023 などを含むUSツアーを開催した。
■ Instagram / 公式HP
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